前回に引き続きまして
ビコム「客車鈍行~かつて日本中で活躍した普通客車列車たちの最後の記録~」
見どころの紹介やレビューをお届けします。
前編はこちらをご覧ください
見どころ
日豊本線(宮崎~西鹿児島 小倉~宇佐)
日豊本線で、1つは宮崎~西鹿児島で運転
これは急行日南が博多~宮崎の特急「ドリームにちりん」に格上げした後
急行と同じ時刻で宮崎行きの客車列車が運転されました。
「1年4か月もの間、消え残りのような運転をしていました。」
このナレーションに何かハッとさせられるものを感じてしまいます。
小倉~宇佐ではED76と50系客車で運転されました。
中でも小倉発柳ヶ浦行き列車、柳ヶ浦駅に到着するのは深夜1:27
日本で最も到着が遅い客車鈍行でした。
久大本線(久留米~大分)
久大本線は50系の他にも12系が使用されていました。
車内はボックスシートだけでなく、転換クロスシートもあり、
車内は他と比べて書いてきそうな印象です。
途中、日田駅では54分も停車します。
その途中で特急「ゆふいんの森」と後から発車した普通日田行きにも
追い付かれてしまいます。
急ぐということにまるで縁のない列車です。
しかし、長時間停車というのは実は私も経験があり、
トイレに行ったり、ジュースを買ったりと長旅好きな人にとっては
あるとありがたいと思います。
筑豊本線(原田~若松)
筑豊本線は50系レッドトレインが日本で最後の運用があった路線です。
客車列車には折り返すときに機関車の位置を変える機回し作業が必要です。
いまではそれもイベントになりますが、昔は当たり前の日常的な風景でした。
原田発若松行き列車は通学する多くの学生を運んでいました。
そして、鹿児島本線の門司港駅まで足を延ばします。
個人的には門司港駅に発着する様子をもっと収録してくれると嬉しかったです。
客車列車の最終運転日、セレモニーまで行われ、地元に愛されていたかが分かるようでした。
映像特典
この作品には10分間の映像特典があります。
こちらも昔の鉄道ネタとしてとても興味深い内容となっています。
普段は特典には目も通さないという方でも楽しめる事と思います。
気動車になった客車
客車鈍行が姿を消すと、役割をなくした客車が大量に余ります。
大半は廃車解体されたでしょうが、中にはエンジンを取り付けて
気動車として走れるような改造を受けた客車があります。
まずはJR北海道のキハ150形
現在はSL銀河として再び客車となったり
ミャンマーへ譲渡されます。
12系客車の改造車としてキサハ34形がありました。
これは氷見線でのラッシュ対策で使われた増結用で
3年ほど使用されました。
JR西日本のキハ33形は50系客車を改造した車両で、
2010年に廃車となりました。
私鉄の客車列車
私鉄で国鉄型の客車を使った列車があります。
樽見鉄道
こちらは朝夕のラッシュ時限定運用で14系客車が使用されていました。
津軽鉄道では冬限定で走る「ストーブ列車」
こちらは旧型客車を使用しています。
ストーブ列車についてはこちらもご覧ください
特急有明・水前寺乗り入れ
特急有明は内5往復が非電化区間だった豊肥本線の水前寺駅行きでした。
有明は電車なので熊本~水前寺はディーゼル機関車と電源車で牽引し、
非電化区間に乗り入れていました。
なので電車なのに客車列車扱いという変わった設定で運転されました。
その当時の様子が5分ほど収録されています。
さいごに
いかがでしたか?
今のように電車・気動車が当たり前の時代とは違う様子が多々見られたのはとても興味深いものでした。
日本に鉄道が走り始めてから2002年に全廃するまで130年間も客車列車がありましたが、
大きな変化というほどでもないかもしれません。
今では臨時列車として走るのみとなってしまいましたが、
ゆっくりと楽しい旅をするのに客車は特に良いです。
それでは!