車両図鑑

DE10形を今見るならココだ!国鉄型ディーゼル機関車にファンが注目!!

国鉄型機関車の中で最多両数を誇ったディーゼル機関車・DE10形、その活躍に変化が表れています。

DD51形にも似た見た目で、客車列車・貨物列車のほか操車場での入換で活躍しています。しかしDD51形などと比べてどちらかと言えばサブ的なポジションで活躍、日本中で走っていたため注目度は低かった印象でした。

誕生から54年、国鉄民営化から33年経った今、DE10形にとって新たな転機となり、ファンから注目を集めています。

今回は名脇役から主役となったディーゼル機関車・DE10形の今を特集します。

DE10形が走る路線まとめ(2020年版)

DE10形は貨物駅の入換作業のほか、貨物列車・臨時旅客列車においてまだまだ現役な機関車です。現存するDE10形の多くは1969年~1973年に製造された1000番台と1500番台で、製造当初のものより出力が大きくなっているのが特徴です。

JR各社のDE10形

国鉄民営化後はJR7社に受け継がれた唯一の機関車で、今ではJR東海以外の各社に在籍しています。2020年現在で不定期運用を含めると以下の会社に所属しています。

会社名 所属先 両数
JR北海道 釧路運輸車両所 3
旭川運輸所 16(うち12両DE15形)
函館運輸所 3
JR東日本 秋田車両センター 3
郡山車両センター 5
高崎車両センター 10
長岡車両センター
盛岡車両センター 6
JR西日本 金沢総合車両所富山支所 7(うち3両DE15形)
梅小路運転区 2
福知山電車区豊岡支所 1
網干総合車両所宮原支所 3
岡山電車区 2
後藤総合車両所 4(うち1両DE15形)
下関総合車両所 3
JR四国 高松運転所 1
JR九州 熊本車両センター 7
鹿児島車両センター 1

参考:貨物ちゃんねる

このようにJR東海を除く旅客各社に配置されているのが分かります。DE10形の主な作業は物資配給・構内入換作業・救援で、ファンでないとその活躍は人目につくことはありません。

稀に臨時列車として走る事があり、この時ばかりは全国から多くのファンがその姿を見んと訪れます。しかし、ブルートレインが無くなった今、DE10形の多くは特に作業もなく持て余している印象です。

DE15形とは?

DE15形はDE10形をベースに設計されたディーゼル機関車。仕様や性能はほとんど一緒だが、除雪用のラッセルヘッドを付けて走れるのが唯一の違いです。

JR北海道とJR西日本では除雪車両として冬に活躍、それ以外はDE10形と変わらない運用をこなしています。

出典:spaceaero2 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4694706による

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JR貨物のDE10形

JR貨物に所属している機体は、構内入換作業の他に貨物列車として活躍しています。2020年時点での運転線区と所属先をまとめてみました。

所属先 両数 主な運行路線
仙台総合鉄道部 9(うち1両はde11形) 石巻線(小牛田~石巻)
東新潟機関区 10 新潟貨物ターミナル入換

酒田港線(酒田~酒田港)

新鶴見機関区 12(うち4両はde11形) 入換作業(浜川崎駅)

甲種輸送(逗子~新鶴見)ほか

愛知機関区 8 関西本線(稲沢~四日市)

稲沢機関区内入換

岡山機関区 8 水島臨海鉄道(岡山~東水島)

甲種輸送(鷹取~兵庫)

門司機関区 4 入換作業(北九州貨物ターミナル内)

参考:貨物ちゃんねる

JR貨物では合計51両が在籍、貨物列車として現役で活躍しています。しかし、老朽化によってDE10形は2形式の新型機関車に置き換えが進んでいます。

 

私鉄・第3セクターのDE10形

嵯峨野観光鉄道のトロッコ 写真acより

 

JR以外の鉄道会社でもDE10形が活躍しています。こちらは旅客鉄道なら臨時列車として、「臨海鉄道」と名の付く会社なら貨物列車として列車の先頭に立ちます。

近年ではJR各社から余ったDE10形を買い、それを基に観光列車を走らせるパターンが多く見られるようになりました。私鉄・3セクで活躍する区間は以下のようになります。

鉄道会社名 列車名 運転区間
東武鉄道 DL大樹・DLふたら 下今市~鬼怒川温泉・東武日光
真岡鉄道 回送 真岡~下館
秋田臨海鉄道 貨物列車 秋田港~向浜・秋田北港
八戸臨海鉄道 貨物列車 本八戸~北浜
仙台臨海鉄道 貨物列車 陸前山王~仙台港
衣浦臨海鉄道 貨物列車 東成岩~半田埠頭・東浦~碧南市
水島臨海鉄道 貨物列車 岡山~東水島
わたらせ渓谷鉄道 トロッコわたらせ渓谷号 桐生~間藤
嵯峨野観光鉄道 トロッコ列車 トロッコ嵯峨~トロッコ亀岡

これらのほとんどはJRから購入されたものを使用、小型でけん引力があり、メンテナンスに必要な部品や整備士が健在しているのが重宝される理由です。

中にはDE10形から改番した期待がありますが、(仙台臨海:DE10→DE65・衣浦臨海KE65)会社ごとに付けられた便宜上の形式名なのでDE10形によく似た別物という訳ではありません。

JRと比べるとこちらはまだまだ活躍する期間が長そうです!

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DE10形とは?

DE10形は入換作業やローカル線区向けに設計されたディーゼル機関車で、1966年~78年までに708両が製造。これまでローカル線用だったDD13形より馬力と粘着力を大きく、さらに客車暖房用の蒸気発生装置を搭載するなど性能面で大きく改善されました。

車体は運転台に対して長い部分と短い部分があり、左右非対称となっています。これは機器の配置や重量のバランスを考えた上で設計されたもので、運転台が中央にない「セミ・センターキャブ」なる形状を採用しています。

山形駅にて

運転台は両側にあるのではなく、線路に対して並行になるよう、1台設置されています。こうすることで入換作業時に運転士は首の向きを変えるだけでスイッチバック出来て効率的な運転ができます。

ポイント

左右非対称なボンネットで、長い方を「1エンド」短い方を「2エンド」と呼ばれています。鉄道ファンの間でも定着しているのでこの2つの違いを見比べてみるのもいいかもしれません。

1エンド先頭

2エンド先頭

1987年に国鉄からJRに代わり、361両がJR7社に継承されました。それからもローカル線での運用や入換作業は減りましたが役目は変わらずに活躍しました。

DE10形の変わった運用

入換やローカル線での活躍が多いように見えますが、中には変わった運用がありました。今回はその中の一部を紹介します。

 

まず、寝台特急「あけぼの」での活躍、あけぼのは上野~青森を奥羽本線経由で結んでいました。山形新幹線開通に向けた改軌工事のため、1990年~97年まで陸羽東線を経由して走っていました。

DE10形のなかでも数少ない優等列車で、しかも2台連結した重連で走ったことはあけぼのと筑豊本線を経由したころのあかつきくらいではないでしょうか?

次はハイパーサルーン有明でのDE10形です。

引用:VICOM「客車鈍行」より

特急有明は当時、博多~熊本を結びましたが、一部は豊肥本線の水前寺まで結ぶ列車がありました。しかし当時の豊肥本線は全線非電化で、電車は走ることができません。

有明の先頭にDE10形と電源車のヨ28000形を連結して熊本と水前寺を結び、特急電車を客車扱いで入線するという当時でも異例の方法で運転されていました。

なぜここまでして特急を走らせたのか?理由はともかくDE10形が特急有明として走った貴重な運用でした。

DE10形に代わる機関車たち

JR貨物は老朽化するDE10形に代わって新しい機関車を開発、入換用のHD300形と貨物列車用のDD200形がデビューしました。

入換用のHD300形は東芝府中事業所が開発した機関車で、DE10形と違ってディーゼル機関と蓄電池を搭載したハイブリッド式です。これにより有害ガスと騒音の削減、メンテナンスの簡略化が実現しました。

入換作業がメインなので最高時速は45㎞に抑えられています。今では東京貨物ターミナルを中心に各地で入換作業に当たっています。

引用:Wikipediaより

貨物列車用のDD200形は川崎重工業が開発、こちらはディーゼル機関とモーターを搭載し、ディーゼル機関で発電した電気でモーターを回す電気式を採用しています。

DD200形はJR貨物のDF200形とEF210形の部品を応用して設計されているので、メンテナンスのコストを抑えることに成功。またDE10形にとって唯一のデメリットだった動輪を5つから4つに減らしたことでこれもメンテナンスをかんたんにしました。

所属は愛知機関区ですが、宮城県の石巻線・新潟県の焼島・富山県の氷見線と高山本線速星~富山の貨物列車に充当されています。

いずれもDE10形と同様の性能ですが、操作性やメカニズムが電車と共通しているのが特徴です。

私鉄で活躍するDE10形・活躍の幅が広がる

元JR東日本DE10形だった仙台臨海鉄道DE65形

JR、特に東日本ではDE10形を含めた機関車全般の使用頻度が減少しています。そのため全体の稼働率が悪く、中にはほとんど使われない機体があるくらいです。それが顕著だったのが盛岡車両センターでした。

2020年にはJR東日本盛岡車両センター所属の1761号機が八戸臨海鉄道へ、同じく盛岡所属の1536号機が仙台臨海鉄道に譲渡されています。

DD13形ベースの機関車は臨海鉄道に多く見られる

八戸・仙台の両臨海鉄道ではDE10形に置き換えられたDD13形と同形式の機関車が今でも現役でした。老朽化が進んでいたことが予想されます。新しい機関車が欲しい両者にとって余ったDE10形は渡りに船だったのかもしれません。

そして一番注目を集めたのが1109号機です。こちらもJR東日本盛岡車両センターから東武鉄道に譲渡され、朱色のオリジナルカラーから青色をベースとしたJR北海道北斗星カラーとなったのがファンから注目を集めています。

東武鉄道ではSLとDLがともに2台体制となってにぎやかになりそうです。

DE10形・これからの活躍を予想

木次線の観光列車・奥出雲おろち号 数少ない観光列車 写真acより

DE10形はこれからどうなるのでしょうか?ここからは私見を交えて将来を予想してみましょう。

結論付けるとあと5年以内にはJRから全廃する可能性が高いでしょう。理由は3つあります。

タイトル

  1. 老朽化
  2. 新型車両への置き換え
  3. 運用の減少

JR貨物では後継となる新型の機関車がデビュー、置き換えの目途は公表されていませんが、入換用のHD300形の増備が進めばJR貨物では全廃となりそうです。

JR東日本ではレール運搬用のキヤ195系が増備されることで、運用として最も多かったレール運搬が無くなります。あとは臨時列車位でしょうが、特急や観光列車に任せれば事足りそうなのでJR東日本からは数年以内に無くなりそうです。

写真acより

JR北海道・西日本では土日の観光列車(ノロッコ・奥出雲おろち)が廃止されない限りまだ大丈夫でしょう。しかし所有してもフルで活用できているかと言えば微妙です。

JR四国・九州は所有してもほとんど使われていない状態、かといって変わりが務まる車両がないといった状態です。

その他の私鉄・3セクはJRから譲渡されたDE10形がこれから活躍を見せる時期なので、こちらは心配ないかと思います。

まとめ

DE10形について、現在の状況や動向についてまとめました。改めて内容を要約するとこんなかんじです。

  • JRのDE10形は引退が近いとみられる
  • JR貨物・東日本は数年以内の引退は確実
  • 私鉄・3セクにはJRからの譲渡が活発
  • 観光列車以外で活躍を見る機会は少ない

国鉄型として年々人気を増しているように感じます。最近ではばんえつ物語号のC57形が不具合となり、DE10形が代走したことがありました。

SLより一般受けは悪いですが、「実はこっちの方が貴重なんだよ」と内心思うところです。

 

国鉄型の雰囲気を残す機関車はDE10形以外にもたくさんあります。残りわずかとなった国鉄型の機関車についてはこちらにまとめています。参考となれば幸いです。

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