この作品の説明
製作:テラダプロジェクト
発売日:2003年7月24日
本編:75分
定価:3800円(税抜き)
こちらの作品では国鉄型485系特急形電車について、特急雷鳥(大阪~金沢)と特急しらさぎ(名古屋~金沢)の現役当時の映像と共に485系の魅力について迫った1本です。
485系とは?
1968年に登場した国鉄の特急型車両で、直流電化区間と交流電化区間(北陸・東北・九州)を結ぶ事が出来る特急形車両の完成型として高く評価されました。
高性能であるため日本全国で活躍した代表的な特急形車両で、
1979年までの間に1500両が製造され、特急形車両では日本最多です。
長い間、クリーム色に赤の帯をまとった「特急色」をまとった車体が特徴的でしたが、国鉄がJRに変わると地域ごとに様々なバリエーションが生まれることになりました。
その後、新幹線の整備、車両の老朽化、特急網の縮小などの理由で徐々に廃車になります。

新潟~金沢を結んだ特急「北越」も最後まで走ったその一つ
2017年3月4日のダイヤ改正で新潟~糸魚川を走る最後の定期列車が廃止されました。今でもごくわずかではありますが残っています。
より詳しいことはこちらの記事に掲載しています。
購入してみた
私はこれまで鉄道ファン向けの映像作品を300本近く見てきましたが、この作品は鉄道系DVDにハマったきっかけとなった1本です。
ポイントとして
鉄道車両好きの中でも国鉄型と呼ばれる旧式の車両を特集していること。
その中で特急としてイメージが強い485系は私にとっても思い入れが強い車両なだけにパッケージに惹かれた事。
現役当時の様子をもう一度見てみたいと思った私にとってちょうどいい内容と時間だった。
なのでamazonにて購入しました。
あらすじ
最初はパッケージに登場する485系「雷鳥」号がゆっくり迫ってくるシーンから始まります。
そしてこれから始まる485系特急形電車について淡々としたナレーションによって解説されます。
4:50~ 485系のメカニックな部分について登場の歴史と一緒に解説されます。
この車両は直流電源と交流電源50/60㎐の3種類の電源に対応するのですが、
そのための配線や床下の機器の機能との説明が図を交えて詳しくかつカンタンに説明されています。

本編より
9:37~
全国各地で活躍する485系電車は地域や時代ごとに仕様が異なる部分があります。
マニアな私でも見ただけではわからないデザインのマイナーチェンジや機能面の違いを分かりやすく解説されています。
個人的にお気に入りなのは1000番台の車両ですが、こちらは東北地方の電化の延伸にをきっかけに、豪雪地帯を走る特急用に導入されたという経緯が説明されます。
中でも特急「つばさ」に最初に導入され、のちに外観・内装が大幅にリニューアルされた3000番台と区分を改めて東北で活躍していました。

本編より:上越線で臨時運行される新潟車両センター所属1000番台
私も幼い頃に地元で数回しか見たことが無かったのですが、
写真を撮るようになってからは庄内や会津に撮影のため追っかけたことは良い思い出です。
地元の東北で走っていた映像を見て親近感がわいてしまいました。
38:37~
信越本線横川~軽井沢の難所「碓氷峠」を越えるために機関車との協調運転機能を加えた489系の説明です。
ここでは特急「白山」のほかに、急行「能登」や臨時特急で運転された時の映像が収録されています。
中でも「こだま形」と言われる丸みがかった前面が大きくせり出したボンネットスタイルを残して走っていたタイプが中でも有名で、多くの鉄道ファンに愛されました。
現在は先頭車のみが京都鉄道博物館内に展示されています。
映像としてあまり見られなかった特急「白山」の現役当時の様子は貴重です。

本編より:2台の機関車の後ろが489系
46:30~
ここからは485系の「先頭車化改造」について説明されます。
長距離移動の利用が新幹線に代わったことで、新幹線と接続する特急へと役目が変わりました。
そのため両数ではなく運転本数を増やしていきましたが、
不足する先頭車を新たに作るのではなく、
運転台を取り付ける改造をすることで製作コストを抑える事が出来ました。

本編より:既存の中間車に運転台を取り付ける図
それによって効率の良い特急の運用が実現しただけでなく、今までのデザインから大きく変わった様子が一目でわかるように説明されています。

本編より:左がスーパー雷鳥 右がしらさぎ
特にスーパー雷鳥の大阪より先頭車は運転台からの見晴らしが良いパノラマグリーン車両となりました。
見どころポイント
ここでは当作品の見どころシーンを紹介します。
1つは33:45~の特急「しらさぎ」の走行シーンです。
現在も名古屋・米原~金沢を結ぶしらさぎは運行開始の1964年~2003年の40年近くを485系で運転されてきました。
中でも鉄道ファンの間で人気が高かったボンネットスタイルでの走行シーンが収録されています。

本編より:北陸本線・芦原温泉~細呂木を通過する特急「しらさぎ」
峠やカーブが多い北陸本線を走行します。
特に湯尾~南条の大きなアウトカーブを曲がるシーンや芦原温泉~細呂木のS字カーブを通過する際、編成がうねるシーンは圧巻で、見応えがありました。
2つ目は62:05~の特急「白鳥」の走行シーンです。
特急白鳥は大阪~青森を結んだ特急列車で1961年~2001年まで運行されました。
走行距離1000㎞を13時間かけて走行し、交流・直流が何度も入れ替わるため485系の性能が十分発揮された列車でした。

本編より:JR東日本所属の485系で運行された特急「白鳥」
私は子どもの頃に1度は乗ってみたいと思っていましたが乗ることは出来ず、
憧れの列車で終わりました。
他の列車とは違い特急「白鳥」に関する書籍や映像ソフトが極端に少なかったので現役の頃の走行シーンは見られないのかと一度は諦めていました。
なのでこの作品で初めて特急「白鳥」を見る事が出来て感極まった思いでした。
まとめ
いかがでしたか?
こちらの作品について私の所見ですが非常に完成度が高く、何度見ても飽きない内容と構成となっています。
例えるならば「485系の教科書」のようなより知識を深めつつ楽しみたい方にむけた作品です。
お買い求めの上で
- 国鉄型車両が好きだ!
- 485系ってどんな車両なの?
- 「雷鳥」や「しらさぎ」が見たい!
と思う方には是非とも見ることをオススメします。逆に - もっと安いのが欲しい
- 難しい説明は聞きたくない
- 走行シーンや前面展望が見たい
という方にはおススメしません。