
引用:本編より
かつて日本全国で急行として活躍した国鉄時代の名車「キハ58系」
その晩年の活躍を収録したテラダプロ・旧国鉄型車両集キハ58系急行形気動車について紹介します。
こんな方におすすめ
- 過去に乗ったことがあり、懐かしいと思う方
- 名前を聞いてて興味があるという方
- どんな車両なのか詳しい解説が欲しい方
作品の見どころ
ここからは私が実際に見て、すごい!おもしろい!といったシーンを中心に紹介をすすめます。

引用:本編より 鳥取ライナーで走るキハ58
まず最初に出てきた列車は「快速鳥取ライナー」
山陰では最後の定期旅客列車となり、繁忙期には6両に増結されるなど
国鉄時代の全盛期と間違えるかのような光景です。
日本海の海岸線を素早く走るその様子はその性能ぶりがまだまだ健在なのが見て取れます。

引用:本編より 行き違い交換中の光景
このような四角くメカメカしい古そうな車両を40代以上の方なら見たことがあるはずです。
これが「キハ58系」 日本の急行列車として活躍し、今でも人気が高い車両です。

引用:本編より 急行羽幌ほか計10両以上の長編成で走っていた。
かつては10両以上を連ね、グリーン車や食堂車があったり増解結があったのが今では過去のものになりました。
1818両と気動車で最大勢力となり気動車の最高傑作と名高い車両でしたが、
急行の削減・輸送形態見直し・車両の老朽化がきっかけで200両までに数を減らしました。
ポイント
国鉄時代の急行として主力の車両だった!
車両のユニークポイント
キハ58系の中には10両以上の連結で生じる「ブレーキのタイムラグ」を解消した長大編成対応車が作られるなど工夫が見られます。

引用:本編より 不自然に四角く盛り上がった部分が配電盤
1500番台からは冷房化工事が施され、冷房用の配電盤やジャンパ線が見られるなど外観にも違いが見られます。
800番台は「修学旅行用」として製造され、黄色地と朱色の帯の専用カラーでしたが
内装には大きな変化はなく、最終的には一般車と混用していました。

引用:本編より キハ28は外見上に大きな違いはない
キハ28系はキハ58系にある屋根上のトイレ用水タンクが車体下にあり、
エンジン冷却水の取り込み口が1か所であるなどよく見ないと分からないレベルの違いがあります。
グリーン車・キロ58形
JRが国鉄から継承したのがわずか20両で、その中でも最後まで使用されたのが
JR西日本の急行たかやま(大阪~高山)でした。

引用:本編より グリーン車はローカル線転用の際にほとんどが廃止された。
この他に碓氷峠のアプト式に対応したキハ57形。
寒冷地仕様のキハ56形など使用される線区に合わせた派生形式がある点もこの形式の面白い所です。
まぁ、正直見ただけではわかりませんが…
キハ65形について

引用:本編より 先頭の車両がキハ65形
勾配を走る急行にとって画期的な車両となったのはキハ65形でした。
当時はキハ28形から冷房電源を供給される代わりにエンジンを一基しか積んでいないので
出力が小さいため冷房電源と高出力エンジンの両方を備えた「キハ65形」が登場しました。
外見上ではキハ48形のような大きな上下式の窓になっているのが大きな違いです。

引用:本編より オリジナル塗色も登場した。
ここでは急行砂丘(岡山~鳥取)の記録と一緒に振り返ります。
この急行砂丘はJRになってから鉄道ファンの間で人気を集めます。
理由は国鉄色のキハ58・65形もですが、
手動で閉塞を操作する「腕木式信号機」と「タブレット交換」が残る区間を走るため平成でも昔の雰囲気が残る撮影スポットだからでした。
平成になっても残る懐かしい風景に急行形の組み合わせは何も違和感のなく絵になってしまうのがいいですね。
メモ
- エンジンが2基なのがキハ58形
- エンジンが1基なのがキハ28形
- グリーン車用がキロ58形
- 碓氷峠のラックレールに対応した台車を履いたキハ57形
- 北海道用に寒冷地仕様なのがキハ56形
- 勾配用に高出力エンジンと冷房電源を備えたのがキハ65形
- ローカル線用に両方運転台をつけたのがキハ53形
ローカル線用の「1両編成」
やがてキハ58系から急行としての運用がなくなりローカル線の普通列車として最後の活躍を見せる時に登場したのが
両運転台化に改造されたキハ53形です。

引用:本編より 1両でローカル線区に配属された”元キハ58形"
おもに北海道・東北・北陸で見る事が出来ました。
その中で最もキハ53形と相性がいい「深名線」での活躍が収められています。
深名線の映像シーンを見てみると北海道の原野を一両だけの気動車がゆっくり走る様子はどこか日本離れした雰囲気を感じます。
今だったら只見線のように「絶景路線」として日本だけではなく海外からも人気が集まりそうですが実際は平成7年に廃止されています。
今でも現役なら乗ってみたかったですね。
JR各社の違い
車両の性能や設備がほぼほぼ統一されていたキハ58形は
JRに継承されてから各社ごとに変化が見られるようになりました。
どのような変化なのかまとめてみると
JR東日本 | 製造当初のDMH17エンジンがすべて他社のものに換装された。 |
JR東海 | 急行かすが用に全車リクライニングシート化 |
JR西日本 | 通勤通学用にロングシート化されたものが登場 |
JR四国 | 全ての車両が通勤列車化改造され、スペース確保のためトイレ・洗面所が撤去された |
JR九州 | 踏切事故対策のため全車両に排障器(スカート)を取付 |
JR各社ごとにそれぞれ違っているのが分かります。
JR東海以外は急行列車としてではなく通勤通学用の普通列車として用途が変わる上での改造だったり
車両の老朽化が見えてきたので修繕したといった感じです。
ジョイフルトレイン一覧
キハ58の中には車番を変えずにお座敷座席とした車両が登場
これを機に余剰となったキハ58系のジョイフルトレインが登場しました。
登場するジョイフルトレイン一覧
ポイント
- アルカディア(後kenji)
- おばこ
- セイシェル
- グラシア(後こがね)
- アルファコンチネンタルエクスプレス
- いさり火
- リゾートサルーンフェスタ
- ほのぼのsun-in
- ふれあいsun-in
- 旅立ち(修学旅行用)
- アクアエクスプレス
これらの車両は乗ることそのものを楽しむコンセプトがあり
臨時・団体の利用で人気がありましたが
元々が老朽化した車両だったので10年程度で廃車となったものが多かったようです。
キハ58系の大きな功績
キハ58系は蒸気機関車時代から続いた「急行」としての役目を受け継ぎ、無煙化に大きく貢献しました。
今の車両と比べると派手さはなく地味な印象しかないかもしれないですが
それでも長く使われてきたのにはキハ58系の「性能の良さ」「丁寧なメンテナンスを受けたこと」が大きかったと思います。
現在はいすみ鉄道にキハ28形が1両残るのみで1800両以上あった大半は廃車解体や海外へ譲渡され、
今ではDVDでしか急行時代の活躍を見る事が出来なくなってしまいました。
人気は無くとも愛着があった車両 それがキハ58系だったといえるでしょう。
さいごに
いかがでしたか?
相変わらずテラダプロらしく、細かい所を取り上げるあたりがマニアックなセンスを持っているなと思います。
この作品も国鉄色多めといった内容で鉄道好きのオールドファンには満足できる内容ではないかと思っております。
是非お買い上げの際は何度も何度も見返して楽しんでいただきたいところです。