こちらの作品は1970年に放映された映画で、
タイトルの通り、日本人の心に残るすばらしい蒸気機関車の活躍に見える魅力が詰まった作品です。
私が今まで見てきた作品の中でもこちらは鉄道ファンに特化したタイトルではなく、あくまでも「映画作品」です。
CSの映画専門チャンネルでも視聴は出来ますが、内容はSLのドキュメンタリーそのもの。
中でもSLファンにとっては蒸気機関車のありありとした姿を拝見できる1本ではないでしょうか。
作品の内容
商品の詳細
- 監督・脚本 高林陽一(最後の蒸気機関車(75)愛なくして(04)ほか)
- 製作年 1970年
- 発売年 2006年
- 本編 82分
- 価格 4800円(税抜)
こちらはDVD版が発売されたのは2006年。
放映から36年後になるまで商品化はされておらず、待ちわびたファンが多かったそうです。
中には解説の小冊子が付録してあり、作品の解説だけではなく、登場する蒸気機関車の解説を盛り込んであるので鉄道ファンでなくとも為になる内容となっています。
作品の見どころ
この映画は、単なる蒸気機関車のドキュメンタリーではない。
機関車への愛情を語り掛ける若い娘。その思慕の言葉のミュージカル風なとらえ方。
作者高林陽一の確かな目と真に映画と機関車を愛する人々の手によって作られたこの作品は
むしろ、蒸気機関車たちを主役にしたドラマと言った方が適切だろう
解説より抜粋

出典:本編より 少女(演:谷口法子)とSLのシーン
私はSLのドキュメンタリーと捉えて見ていましたが、解説にある蒸気機関車と少女とのシーンがこの作品の1番の特徴的なシーンでどうしても印象に残っていて、何かを隠喩しているかのような感じはしていました。
解説を読むとSLに恋する少女という設定で機関車に何か憧れのような思いを寄せていて
BGMで流れる歌は少女の心の内だったという演出でした。
所見の時はこちらの理解不足でそのシーンでの楽しみが少し減ったのは残念でした。
しかし、SLに背中を向けて寂しそうな表情を見せるのはいなくなってしまうことへの寂しさなのでしょうか?

出典:本編より
見どころとしては四季を通じたSLの活躍を収録しているところです。
SLと少女と歌のシーン以外は至って普通のドキュメントです。
桜の側をかけるSL、陽炎の向こうから迫るSL、ススキと夕陽とSLなど趣があってSLが主体であっても誇張しすぎない演出が私は好きです。
最近の鉄道DVDによくある有名撮影地での定点撮影での記録映像とは違い、SLが走っていた日常を見せる撮影をしているところが自然体で良かったと感じます。

出典:本編より 米坂線越後下関駅に入線する9600形旅客列車 雪が深くとも生活の足としてはたらく
私が以前レビューした「C型蒸気機関車大集合」や「D51とその仲間たち」と似た作風なのも評価は高いです。
詳しくはこちらをご覧ください
ただ違うのはこちらは35mmフィルムなので画質がキレイで安定しているといったところぐらいでしょうか。
作品の評価
ここでAmazonのレビューを見てみると
多くが★4で中でもSLファンは必見と太鼓判が押されています。
特に転車台のシーンが面白いや日常的なシーンが懐かしく感じるといった声があります。
一方でSLと少女のシーンについては「余計だった」や「印象に残るシーンだった」と賛否両論のようです、
ただ、総合的な評価としては「SLのドキュメンタリーとしては最高の作品」といって間違いありません。
まとめ
いかがでしたか?
鉄道の中でも特にSLのドキュメンタリーの作品と言うのは割合としても多いですが、
その理由はSLの「魅力」が電車とは絶対に違うものだからだと私は思っています。
こんな方におススメ
- SLを懐かしいと思う方
- 古くても状態のいい映像が見たい方
- 違ったアングルからSLを見たい方
こんな方にはおススメしません
- 記録映像として楽みたい方
- SL全盛期の頃を期待されている方
- BGM・ナレーションなしで見たい方
私は購入後、見た時の印象はSLの記録映像だけを期待していたので期待外れだった印象がありました。
今回の記事作成に当たり改めてみると1970年当時としては映像がキレイで、日常ではたらくSLの様子が1番強い作品だったと思います。
SLが次々と引退していった1970年代と同じように、現代で言うなら昭和の色を残した古い電車・気動車をテーマにしたドキュメンタリー調の作品があってもいいかもしれませんね。