2006年に今では見る事が出来ない昭和の時代を感じさせる
ある「特別編成列車」が運転されました。
それは映画の撮影用に運転された列車
大阪を深夜1時51分に発車し山口県新山口駅まで運転されました。
今回は映画撮影のために運転された「特別編成列車 大阪発01:51」についてレビューします。
特別編成列車について
使用されたのは電気機関車EF58 150
客車はスハフ12 702とマイテ49 2の合わせて3両です。
昭和のレトロ感が感じられる「ブラウン」1色の車体が特徴です。
それぞれの車両を見ていきましょう
EF58 150

引用:本編より
EF58は1946年~1958年に製造された電気機関車です。
特急や急行列車の先頭に立つ花形機関車として活躍しました。
特徴的なのが俗にヒゲと呼ばれる2本のラインと
箱型の車体が多い中で先が流線形に近いデザインが当時は目を引きました。
現在は4両がそのままの形で保存され

京都鉄道博物館内トワイライトゾーンで静態保存中
作中に出てくる150号機は現在は「京都鉄道博物館」に保存されています。
スハフ12

引用:本編より
急行用として1970年代にデビューした客車です。
このように青い車体が一般的です。

現在は東武鉄道SL大樹他で今でも見られる12系客車は青い
この車両は新山口~津和野で運転されるSLやまぐち用に
旧型客車に近づけた改造が行われました。
マイテ49

引用:本編より
国鉄時代の客車でこれら一般を「旧客」と呼んでいます。
中でもマイテ49はSLやまぐちに連結されていました。
車両の先端が展望デッキになっています。
このような車両はいろんな映画で見たことがあるのではないでしょうか?

車内は質の良い座席が窓に向けて配置されている他コンパートメントもあります。 引用:本編より
展望車付きで内装が当時では豪華なため一等車
(現在で言うグランクラス)として使われていた車両です。
映画について
この特別編性が登場する映画とは?
2006年公開の「旅の贈り物 0:00発」という作品です。
どこへ行くとも分からない列車に、悩みを抱える男女5人も乗り込むことに。0時00分、大阪駅発のその列車は、架空の町「風町」に到着。風町の人々や町並みによって、悩みを抱えた彼らの心のうちも徐々に変わっていく…
あらすじより
0:00発の大阪駅発の列車というのが今回登場する特別編成列車です。
舞台は山陰・山陽地方らしく
山陽本線戸田駅では玉造温泉駅として乗客が下りるシーン
復路は大崎下島でのロケの関係で呉線を経由します。
作品の見どころ

深夜の大阪駅に入線し、発車までのシーンが撮影される 引用:本編より
深夜1時30分 EF58を先頭に大阪駅に入線してきました。
ここから列車内でのロケがスタートします。
ナレーションは世界の車窓からのナレーションであり
この映画で車掌役を務める俳優の「石丸謙二郎」さんです。

引用:NHKアーカイブス・人物録より
映画ならではの35mmフィルムで撮影されている辺りが
ただの撮影記録という印象を与えないのでポイントは高いです。
6:00を過ぎ、特別編成列車は山陽本線の岡山を過ぎて広島へひた向かいます。
途中山陽自動車道沼田橋をくぐります。

コンクリート橋との対比カット 引用:本編より
大きなコンクリート橋と比較したかのようなカットです。
西高屋駅にて1時間50分の朝食休憩の後
再び発車します。

引用:本編より
ここからは空撮映像がメインとなります。
10:00 岩国を通過すると穏やかな瀬戸内の海に沿って走ります。

岩国通過後海を臨む 引用:本編より
13:44 戸田駅到着

劇中では「玉造温泉駅」として登場する 引用:本編より
ここでキャスト演じる乗客が列車を降りるシーンが撮影されました。
ここから先は回送のため新山口駅へ向かいます。
山陽本線は日本の主要幹線の一つでもあるので貨物列車とのすれ違いが良く見られます。
2日目は新山口から呉線を経由して糸崎へ向かいます。
1:52発車 5:56には呉線の広駅を通過します。

呉線の有名撮影地を過ぎる列車 引用:本編より
呉線は瀬戸内海に沿ってゆっくりと走行します。
こんな列車に乗ってのんびりと旅をしたいなーと思えるシーンでした。
3日目は山口線を経由し島根県の飯浦駅へ
この区間では非電化区間なのでディーゼル機関車が先頭に立ちます。

山陰本線飯浦駅に入線する特別編成列車 引用:本編より
これで合計3日間にわたって特別編成列車の運転は終了しました。
見てみた感想
映画のロケ専用に運転された列車のDVD作品というのはめずらしいです。
私は「旅の贈り物 0:00発」はまだ見ていませんが
これを見たことで興味が湧いてきました。
今では走る姿を見る事が出来ません。
EF58が好きな方はゆっくりとその雰囲気を楽しめるかと思います。
商品詳細
- タイトル:特別編成列車 大阪発01:51
- 発売日: 2006年10月18日
- 制作: ジェネオンユニバーサル・旅の贈り物0:00発製作委員会
- 収録: 60分
- 価格: 3800円(税抜)
- リージョンコード:2
ナレーションはタイトル部分を小倉智昭さん
本編解説部分を石丸謙二郎さんが務めます。
現在こちらは廃盤となっているので新品での取り扱いは今の所ありません。
Amazon・ヤフオク・駿河屋にて中古品を取り扱っている可能性があるので
興味がある方はそちらを検索した方が良いかと思います。
駿河屋HPは下記のリンクからアクセスできます。
さいごに
いかがでしたか?
昭和レトロな列車が登場する60分は個人的に満足できました。
映画のメイキングでもないのでEF58など国鉄型が好きな方が
購入されると楽しめるかもしれません。