こちらでは「 ニッポンの蒸気機関車 D51とその仲間たち 」についてレビューしていきます。
日本の蒸気機関車の代名詞的存在、「デゴイチ」ことD51形を中心に貨物専用のSL・Ⅾ型機関車の力強い活躍を収録した作品です。
デゴイチファンの方々には是非見て頂きたい1本となっております。
こんな方におすすめ
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デゴイチが好きだという方
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SLやまぐちやSLみなかみで知ってる方
- 重連で力強く走るSLを見たい方
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作品について
作品名 | ニッポンの蒸気機関車 D51とその仲間達 |
製作 | TBS |
販売元 | |
収録時間 | 52分 |
定価 | 4700円(税抜) |
発売日 | 2000年9月20日 |
音声切り替え | × |
リージョンコード | 2 |
★日本人の魂ともいえる文化、蒸気機関車!
★時代とともに記憶の彼方に置き去られた思い出を次世代へ残す!
★今ではもう観ることのできない貴重な映像を再編集DVDでリリース!
●当時のフィルムに残された貴重な映像は、鉄道ファンならずとも思わず見入ってしまうほどの感動と切ないロマンを与える一大叙情詩。
●黒く力強い蒸気機関車が、美しいふるさとの風景を縫って走る、もう二度と出会うことのできない懐かしい映像記録。
●三重連や三段式スイッチバックで急勾配を喘ぎながら登る姿は、高度成長時代を黙々と働き、駆け抜けた世代たちとオーバーラップする・・・そんな日本人の心の原点を感じさせる蒸気機関車たちをこれからの若い世代にも伝えたい。
出典元:ポニーキャニオン映像作品紹介
1970年代に日本全国で活躍したD51形蒸気機関車の現役当時の活躍を収めたDVD作品です。
Ⅾ型は動輪が4つありその分だけ「パワー」が出せる事から「貨物用」として設計されました。
D51形・通称デゴイチのほかに大正時代の名SL・9600形をはじめ今では希少なSLが登場します。
私は当時のD51のことは全く見たことがありません。
しかしそれでも迫力ある当時のSLの映像には満足しました。
SLが好きな方にはきっと満足してもらえると思います。
作品の見どころ
ここからは私が実際に見て面白い・すごいという作品の魅力について解説します。
D51形
ゆっくりと車庫に侵入するD51形
今では都心の住宅街に近い「新鶴見機関区」での火入れ作業からスタートします。

新鶴見機関区にて 引用:本編より
SLは1度火を絶やすと動けるまでにかなり時間が掛かります。
そして火入れが終わるまではひたすら機関士が石炭をくべる、
今見ればかなりの肉体労働で非効率的だと思われますが、
SLの活躍には機関士の存在がかなりの大きさを占めているのだとわずか数分の映像からは感じられます。
蒸気機関車とは手のかかるものである。おまけに大食い、どうも効率が悪い。
誰もがそう言うが誰もが彼を嫌ったりはしない。
彼の実直さ、誠実さが魅力となり、あらゆる欠点を吹き飛ばしてしまう 。
本編:ナレーションより
詩的なナレーションの通り、SLを見ているとまさにそのように感じてしまう。
機械の中でも人間らしく黙々と働くその様子は、どこか人が一生懸命に走る姿と照らし合わせずにはいられないでしょう。
それは今も昔も変わりません。
比較的勾配に強いD51は重連で力強く走る姿が勇ましく、全国のSLファンを魅了してきました。
画像は熊本県は肥薩線の大畑峠を走るD51混合列車、峠を力強く走るだけのパワーを持ったSLです。

肥薩線・大畑峠を2台のD51で越えるシーン 引用:本編より
9600形
「アイツは良い奴でしてね、忘れられない機関車ですよ」
本編:ナレーション
大正時代からD51が登場するまでの間、貨物列車のエースとして活躍し、
D51が活躍する後も地方で活躍しました。
そのなかでこちらの山形県の米坂線は9600形が晩年に活躍した路線として有名です。

米坂線で貨物列車を牽引するキューロク 引用:本編より
急勾配と雪深い地域を走る米坂線にとって9600形のようなパワータイプのSLは重宝されたようです。
冬も間近の山中を走るSL列車は趣がある映像となっています。
D50形
映像収録当時、九州の若松機関区にたった1両が残るのみです
後に改良がなされ、D51が生まれましたが、当時は動態保存機として残されたようです。

若松機関区にて停泊するD50形 引用:本編より
D52形
国内最強のけん引力とボイラーを誇る貨物用機関車です。
主要幹線での貨物輸送を担当しましたが、この作品ではあまり当時の映像は収録されていないようです。
現在も貨物列車の補器をつける山陽本線の瀬野~八本松は、電化されるまでの間D52形が補器を務めていたことがあります。

貨物列車を牽引するD52形 引用:本編より
D60形
D50形を、レールにかかる重さを軽くするために従輪を加えて手直しされた改良型の機関車です。
数字が60番台の機関車はこの手の改良タイプだと解釈してもらっていいでしょう。
D60形は九州の機関区に集中配備され、貨物だけでなく旅客でも活躍しました。
映像では筑豊のボタ山や遠賀川を渡るD60の姿が収録されています。
60番台のSLについてはメディアでは語られることが少なく、存在自体が知る人ぞ知るといった感じです。

若松機関区での一コマ 引用:本編より
私もこの作品でD60形の動いている様子を初めて見ました。
伯備線の三重連
山奥の田舎の駅に何故か大勢の人が来ています。
伯備線・布原信号所はD51の三重連が走ることで有名になった場所です。
その人気が一目でわかるように「本日の三重連はあります」と札に描いてあり、多くの鉄道ファンがカメラと三脚を持って撮影のために構えます。
鉄橋を渡りトンネルの入り口直前の山肌にカメラを構える鉄道ファンたちが200人入るのではないでしょうか、中には川の中に入ってカメラを構える人も数名います。
それぞれ良いアングルで撮影したいという思いはこの頃も今と同じくらい強いようです。
SLの貨物列車が重連でやってきます。
今では電車が軽々と超えていく布原の峠ですがSLの時代は3台が連なって越えていきました。
そして9:17、煙を轟轟と吐きながら三重連の貨物列車がやってきました。

出典元:鉄道ホビダス【わが国鉄時代】より
今では絶対見る事が出来ないSL3機による力の合わせ技と言ったところでしょうか。
SLが峠を越えることが大変だと体現しているかのようです。
お召し列車を引くD51
1971年4月21日 米子機関区では化粧直しをされてピカピカのD51がお召列車の牽引の準備に取り掛かっています。
お召し列車の牽引機には特別に化粧直しがなされますが、
SLは特に念入りに整備され、お召しにふさわしい装飾がなされます。

出典元:SLプレートのお話
お召し列車は天皇陛下が乗る鉄道の中でも最も特別な存在で、
機関士たちの牽引を務めるSLへの思い入れの強さを感じます。
まとめ
- デゴイチを含めⅮ型機関車の貴重な記録作
- 当時の活躍を迫力ある映像で振り返れられる。
- D51形や9600形がメインで収録
- D52形・D60形といったマイナー機が見られる数少ないDVD
- 伯備線の三重連は圧巻
- お召し列車として先頭に立ったことがある。
さいごに
いかがでしたか?
今回はD51とD型蒸気機関車の映像を収録した作品を紹介しました。
製造数1115両と日本一多い記録を持つD51。
現在は2両が動ける状態で保存されて、休日になると走る様子を見る事が出来ます。
SLブームが山場を越えてもなお、「デゴイチ」で親しまれ続けるのは
全国で活躍できるほどSLの中でも優秀だったからではないかと思います。
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