この記事を読んでいる方は、苦労して描き上げた履歴書・いいことづくめなエピソードを練り上げたエントリーシート・中卒レベルで苦戦したSPIを突破した選ばれし就活生たちだと思って書いています。
今回は鉄道会社ならほとんどの企業が実施する「+」について試験内容と対策を解説します。
ちなみに過去に私は何回受けて3回クリアしましたが、何度やってもイヤですね!
(参考:第2新卒AGENT neo)
こんな方におすすめ
- クレペリン検査についてよくわからない方
- クレペリン検査をパスしたい方
- 鉄道会社へ就職したい方
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クレペリンとはどんな試験なの?
クレペリン検査とは、受検者の心理状態を計測する「性格検査」で、人間の才能と性格が作業曲線※と比例することを発見したドイツのクレペリン博士と、それを応用して心理検査を作った内田勇三郎博士から正式には「内田式クレペリン検査」と言います。(以後クレペリンと呼ぶ)
参考
※作業曲線=回答数の終点を線で結んだときにできる曲線
日本では主に鉄道など運輸業界の就職試験や運転士が3年おきに実施される場合に使われます。
ポイント
- 学力ではなく性格検査
- 鉄道会社ならほぼ受けることになる
- 入社後も運転士や車掌は3年おきに受験する
試験の内容はどんなもの?
クレペリンの内容はいたってカンタンで、隣り合った数字を足し算し、その答えを数字の間に書き記すだけです。

クレペリン検査のイメージ
最初はびっくりするかもしれませんが、やることは足し算なので小学生でも受けられる内容です。
試験はこのような流れで進みます。
step
1「始め」の合図でスタートし、上の段から順番に解く
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2「次」と言われたら今度は下の段に移って解きます。これを15段繰り返し、「やめ」の合図で終了。
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3これを2回に分け、5分間の休憩を取り後半を進めて35分間で終了
1行につき1分間で回答数が50~70が平均と言ったところです。もし1行すべて解いた場合、下の段に移って回答できます。
とはいえ、1行に116字あるので普通の人ならまず解けません。
クレペリン検査で何が分かるの?
クレペリンをすることで、受験者の性格・能力・行動面が分かります。足し算するだけで分かるの?と思いでしょうが、重要なのは足し算の答えではありません。
能力において、仕事をテンポよく進められるか・集中して続けられるか・ミスなく作業できるかが見られます。
特に鉄道であれば時間に正確で人命をあずかる慎重性が必要な仕事なので、この能力が高い人が有利です。
性格・行動面では「発動性」「可変性」「亢進(こうしん)性」という3つの特徴に分けられます。
まず発動性とは?仕事を素早く取り組めるスピード重視のタイプです。しかしミスが多くなりがちなのがデメリットです。
次に可変性とは?可変性が強いと変化に柔軟に対応できますが気持ちにむらが出て作業に支障が出ます。弱い人は柔軟ではありませんが気持ちが変化することが少ないのがメリットです。
最後に亢進(こうしん)性とは?これが強ければ行動的で意欲的ですが強引さがデメリットになります。一方弱いと穏やかで受動的と言えるでしょう。
これらの要素に加えて、SPIの性格検査と比べて矛盾がないかどうかをチェックします。
もしSPIで自分に嘘をついた回答をしたとしても、クレペリンでバレるでしょうね。
クレペリン検査をやってみよう!

クレペリンの解き方
クレペリンの解き方を見てみましょう。
まず上の段の左端が「6」その隣が「1」と書いてあります。
この場合「6+1=7」なので6と1の間に「7」と記入します。
基本的にこのような足し算の繰り返しです。
「8」が2つ並んでいる箇所がありますね?この場合答えは「16」です。
しかし2桁の数字を書くスペースが無いのでここでは「6」と記入しましょう。
もし回答を間違えたら消しゴムで消す・・・のではなく塗りつぶすか✖印をつけて正しい答えを記入しましょう。
練習する方法は?
クレペリンの対策について説明したいところですが、これは問題を解く試験ではなく「検査」なので対策が必要かどうかは意見が分かれます。
実際に私が通っていた大学でお世話になった2人の就職担当の先生の間でも、意見が分かれたくらいです。
それらの経験から、私なら「対策として練習する。けれど1回だけ」で終わらせる方がいいと思います。
周りには計算が苦手だからゴリゴリに練習する人もいれば、全く練習しない人もいました。しかしこれらの行動が合否に関係したのかと言えば、そうとは思えませんでした。
試験の感覚をつかむために1回練習するくらいならありだと思います。その中で効果的な練習方法は次の2つ
ポイント
- 計算ドリル
- ゲームアプリ
それぞれ深堀すると、計算ドリルで計算のトレーニングをします。そうすれば1発本番でのぞむより頭の回転が速くなり、作業量が必然的に多くなります。
1冊数百円程度なので本屋かネット通販で買って試して見るのがいいでしょう。
私がオススメするのが100マス計算です。小学校でやったことありませんか?
これは早く計算するトレーニングになり、ゲーム感覚で楽しめるので計算が早くなりたい方は1冊買ってやってみてはいかがでしょう?
2つ目はゲームアプリでトレーニングすること。実はクレペリンをゲーム化したアプリがあり、テトリスやソリティア感覚で体感できます。
メリットはスマホで無料でできること。デメリットは手を動かさないで演算するので実際の試験とギャップが出ることです。
ベストな方法はこの2つのうち1つで練習し、残った時間で面接対策をすることです。時間を有効に使えます。
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理想曲線は凹形・それ以外はアウト!
クレペリンで重要なポイントが3つあります。それは以下の通り
- 回答数
- 正答数
- 作業量
回答数は検査結果に大きく響きませんが、多すぎても少なすぎてもいけません。多すぎると後半がバテて、少ないと作業が苦手と判断されるからです。
正答数は回答数より重視されます。正確な仕事ができることを証明してくれます。回答が多くても正答が少なければ意味がないのです。
作業量は検査全体での回答数です。15分間でどのような作業曲線を描くかが決まります。
引用:日本精神技術研究所より
作業曲線は普通なら図のように波打つか、お椀のように真ん中が凹んだ形になります。なぜこうなるのでしょうか?
理由は脳が単純作業に疲れるからです。
最初の一行目はみんなやる気満々でがんばるので作業量が多くなります。2~4行目からやや落ちだして、5~7行目で一気に作業量が減ります。
このあたりで単純作業をもくもくとやることに脳がつかれてきます。つまり「飽きてきた」と感じるためです。
それでも10行目以降で作業量が上がりだすのは「ゴールが見えてくるから」です。「あとちょっとがんばれば終わる!」と無意識のうちに感じると最後の力を出してがんばれるのです。
作業曲線がまっすぐではなく波を打っているのはそのためで、これを「定型曲線」と言います。
定型曲線と受験者の作業曲線を照らし合わせて、ズレが少ない人が理想的です。
ダメな例
では理想的な波型ではない「ダメ」な作業曲線について、なぜダメなのか?かんたんに解説します。
まずはこちらの波形です。
作業曲線が波型でなく直線になっていますね。定型曲線と違って作業量が一定です。
この場合どこがダメかというと「発動力が弱く可変性が無い」。つまり、仕事の取りかかりが遅くマイペースで異常事態に弱いと判断されます。
鉄道会社においてトラブルは付き物、すぐに対応できずにオタオタする人は向いていませんよね?
こちらの曲線、定型曲線とは真逆で凸型を描いています。一見良い様に見えますが、実はこの曲線もダメなんです。
その理由は、まず「1行目の回答数が少ないこと」です。普通なら一番回答数が多いのは1行目なのですが、上の図はそうではありません。
これは仕事の取りかかりが遅いと判断されます。
次の理由が「8行目付近の回答数が一番多いこと」です。普通なら回答数が落ちて下がるはずですが逆を行っています。
これは後から本気を出すタイプで仕事に意欲的でない。つまり亢進(こうしん)性が無いと判断されます。
最後の理由は「最後の行の回答数が少ない」こと。これは致命的です。
最後の行の回答数が少ない=仕事の終わりかけに体力を使い切ってしまったと判断されます。
全てにおいて「定型曲線」の真逆を言った上の図の作業曲線。もしあなたがこの曲線であれば残念ですが諦めましょう。
どうしても心配だという方
企業の採用試験以外に個人で受験することができます。問題演習ができるだけではなく検査結果も合わせて知ることができます。
価格は1回9,900円・カウンセリングが4,000円、合わせて13,900円と高額なのでどうしても事前に知りたい方以外はしなくても全然大丈夫です。
また内田式クレペリンの本が売られているのでそれで予行演習と、傾向を知って対策をするのが良いでしょう。
クレペリン検査に必要な物は?
クレペリンの検査で必要な物は一つ「鉛筆」です。必ず鉛筆を持って行きましょう。
消しゴム・シャープペンシル・ボールペンは必要ありません。しつこく言いますが鉛筆のみです。
なぜ鉛筆なのかというと、「芯が折れにくい」からです。
クレペリンでは演算をした答えを書くことになります。そしていかに早く計算できるかが検査のカギとなります。
なので前述の通り、間違っても消しゴムで消す時間がありません。よって消しゴムは不要。
シャープペンシルで書く時を想像してみて下さい。鉛筆より芯が細く、計算中に芯が折れたらノックして芯を出さなければいけません。しかしその時間すらありません。
またボールペンがダメとは言われていませんが、インクがにじむ、途中で書けなくなるといったトラブルが考えられます。
あらかじめ削ってとがらせた鉛筆を3~4本用意しましょう!
クレペリンにまつわる体験談
私は大学時代に大手私鉄の採用試験を受けました。受けた分だけクレペリン検査を受けたことになり、トータルで15回はやったかと思います。
特に本命だったJR東日本のクレペリン検査は緊張しました。
高校時代は文理選択で理系を選んだこともあり、数学の基礎はしっかりついていました。なのでSPIは難なくクリア、クレペリン検査も人並より少し作業量が多い位でした。
それでもやっぱり緊張します!!
鉛筆を握って「始め」と言われるまでずっと緊張しました。手汗を書くという人はハンカチや汗止グッズを持っておくといいかもしれません。
1行1分、夢中になって演算すると1分はあっという間、次の行に移って演算の繰り返しです。
5行目くらいから右手が痛くなり、8行目超えると頭も痛くなります。
「それでも受かるためにやる!」
15分後、前半が終わった頃にはめちゃめちゃぐったりしてましたね(;^_^A)
私は定型曲線とは違ってきれいにお椀型の作業曲線でした。なので後半になったら「前の行より多く書こう」「2行揃って終わらないようにしよう」などとかんがえていました。(まあ、悪あがきなんですが)
どのような結果だったのか結果については教えてもらえません。
ですがその後面接の案内が来た時には飛び上がるくらいうれしくなり、クレペリンのことは忘れてしまいました((笑))
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クレペリン検査・まとめ
鉄道会社への入社を目指すための鬼門・クレペリン検査について分かったかと思います。
今回の内容をまとめるとこうなります。
ポイント
- クレペリンは性格検査
- 内容は足し算の答えを書くだけ
- 回答より作業曲線を見られる
- これといった対策方法はない
- 計算の速さを練習すると少しはマシ
- 受験には鉛筆を使うこと
SPIや面接と違って対策しても意味がなく、時間のムダになります。
専門学校では毎日1回やるようですが、計算力というよりあなたの「個性」を見るための試験です。
肩の力を抜いてダメで元々の精神でチャレンジしましょう!
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