毎日通勤・通学で電車を利用する方にとって「座席に座って通いたいな~」と1度は思うはずです。
東京や大阪には整理券を買えば必ず座れる「ライナー」がありますよね?実は新潟県にもライナーがあります。
その名も「らくらくトレイン」新潟から村上方面と長岡・直江津方面を結ぶ2通りの列車がありますが、通勤通学以外でも旅行で使うとおトクなんです!!
今回はらくらくトレイン村上と、らくらくトレイン信越を乗車体験をまじえて紹介します。
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らくらくトレイン村上とは?
新潟~村上を結ぶ快速列車で、いわゆる「ホームライナー」同様に着席して通勤できる列車です。
新潟県内でも着席して通勤できるような列車を要望する声が高まり、2004年から運転をスタートしました。
運賃に加えて乗車整理券320円を買う事で誰でも乗車でき、特急いなほと同じスピードで走るためかなり便利な列車となっています。
参考
- 特急いなほの指定席料金は1450円・自由席は930円
- らくらくトレイン村上の乗車整理券は320円
差額は最大1130円!!
使用する車両と座席について

使用するのはいなほで使われるE653系電車
使用するのはE653系電車・特急いなほで使われている編成をそのまま使います。
最高時速は130㎞で、新潟~村上を58分で結びます。普通電車だと1時間15分ほどかかるので15分も短縮できます。
列車は7両ですが、1号車はグリーン車なので閉め切られています。なので普通車である2~7号車を利用できます。
ポイント
グリーン車を締め切るのは、座席のサービスに差をつけないため。
もしグリーン車を開放すればいち早く満席になり、不公平さを利用者に感じさせてしまいます。
例外はありますが、大体のホームライナーはグリーン車を閉め切って運転しています。
座席は特急仕様のリクライニングシート、4人掛けのボックスシートと7人掛けで対面するロングシートとは違って密接にならない事と、背もたれを倒してくつろぎながら帰れるのがらくらくトレインならではのポイントです。
運転日と時刻について

新潟~新発田を白新線・そして羽越本線の村上まで走る
運転は土日を含めた毎日運転されています。
停車駅は新潟を出ると豊栄・新発田・中条・坂町・村上の順に停車します。特急いなほと停車駅が一緒で、もう特急いなほに320円で乗れるようなものですね!
停車駅 | 時刻(2020年時点) |
新潟 | 20:03 |
豊栄 | 20:19 |
新発田 | 20:29 |
中条 | 20:43 |
坂町 | 20:51 |
村上 | 21:01 |
上り・快速村上発新潟行に変身
村上駅に到着したらくらくトレイン村上は、折り返しで快速新潟行きに変身します。
当然車両は同じですが、上りの新潟行きは停車駅と所要時間はそのままで、乗車整理券は必要ありません!
つまり・・・乗車券だけで特急車両に乗れる超おトクな列車なんです!
特急車両に特急料金なしで1時間も乗れるのは鉄道ファンや旅行好きな方にとってはとてもありがたいですね!
時刻はこのようになります。
停車駅 | 時刻(2020年時点) |
村上 | 21:17 |
坂町 | 21:27 |
中条 | 21:34 |
新発田 | 21:44 |
豊栄 | 21:58 |
新潟 | 22:12 |
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らくらくトレイン信越・おはよう信越とは?
新潟~直江津を結ぶ快速列車です。らくらくトレイン村上とは反対に新潟県の南部・上越市まで運転されます。
1994年運転開始、当時は着席通勤電車を県内に先駆けて導入、新潟~長岡を結ぶ「らくらくライナー」として乗車整理券なしで利用できました。
1999年に「らくらくホームトレイン」に名前を変更、「ライナー券」なる乗車整理券を導入します。
直江津まで運転区間を延長したのは2012年ダイヤ改正から、当時大阪~新潟を結ぶ「急行きたぐに」が廃止となり、新潟県内を早朝・深夜に結ぶ新たな列車として「らくらくトレイン信越」「おはよう信越」が生まれました。
2020年現在の利用は好調で、長岡まで区間が重複する上越新幹線より安く、新幹線が停車しない三条・見附・来迎寺での利用ができるのがポイントです。
使用する車両と座席について
使用するのはE653系電車、そのうち特急しらゆきで使われる短い編成です。こちらは4両で、らくらくトレイン村上の7両と比べると半分近く差があります。
編成は全車普通車なのでどの車両も利用ができます。
E653系電車は元々特急フレッシュひたちとして上野と茨城県の水戸・高萩で活躍しました。
そのうち基本となる7両編成が特急いなほに、増結用の付属編成4両が特急しらゆきとして転身し新潟県内で活躍しています。
運転日と時刻について

信越本線の新潟~直江津までを結ぶ
運転は土日を含む毎日運転されています。運賃に加えて乗車整理券320円を支払えばだれでも乗車できます。
新潟県内を21:00以降の深夜と6:00台の早朝に運転されるため、利用したい方は時間に注意した方が良いでしょう。
らくらくトレイン信越・時刻 | 停車駅 | おはよう信越・時刻 |
20:57 | 新潟 | 8:35 |
21:14 | 新津 | 8:09 |
21:21 | 矢代田 | レ |
21:31 | 加茂 | 7:52 |
21:38 | 東三条 | 7:42 |
21:41 | 三条 | レ |
21:50 | 見附 | 7:33 |
22:00 | 長岡 | 7:13 |
22:13 | 来迎寺 | 7:04 |
22:24 | 柏崎 | 6:44 |
22:49 | 柿崎 | 6:28 |
23:03 | 直江津 | 6:15 |
らくらくトレイン村上・信越の乗り方について
らくらくトレインに乗るために必要な物は「乗車券」と「乗車整理券」です。
乗車券は普通のきっぷのほか、定期券・フリーきっぷ・回数券が使えます。
ここでらくらくトレインに乗るためのステップをまとめてみると・・・
step
1乗車整理券を購入
新潟駅コンコース内にこのような券売機が置いてあります。
東京ではホームに券売機があるものですが、新潟駅にはコンコース内にらくらくトレイン用の券売機があるんです。
乗車整理券は利用日当日中のみの販売、指定席券のように1か月前からの販売はありません。
万が一買い忘れても車内で購入できますが、始発となる新潟駅では乗車前に検札されるので必ず買ってから乗りましょう!
step
2ホームで検札
発車の10分前から乗車、それまでは看板を先頭に1列に並びます。なお1号車後ろのドアしか乗ることができません。看板を目印にしましょう。
ドアが開くと駅員が乗車整理券を検札します。印を押したら中に入りましょう。
step
3席につく
乗車したら席に着きます。全車自由席なので空いている席ならどこに座っても構いません。
早く乗った人は奥の車両に詰めて座るのがマナーのようです。
らくらくトレイン村上に乗ってみた!
2020年7月12日に実際に乗ってみました。
私が新潟駅に到着したのは19:30頃、新潟駅5番線から発車と表示されていました。
およそ1時間後には直江津行きのらくらくトレイン信越も発車します。
特急いなほの車両は何度も見てきましたが、乗るのはフレッシュひたち以来9年ぶりとなります。
日曜日の夜・静かな駅のホームに列車が入ってきたのは、いなほでも1本しかない「ハマナス色」の編成でした。
いなほの車両で1本だけの鮮やかなピンク色の車両に320円で乗れるとあって胸の高鳴りが倍になっている心地がします。
日曜の夜でも乗車したのは30人ほど、「意外に多いな」と、利用率は平日でもほどほどではないでしょうか?
発車すると普通の電車より揺れが少なく滑らかな走り出しが特急車両に乗っているんだと思わせます。
あまりに静かなのと、普通列車ならできない酒盛りをしたせいで心地よくなり途中で寝てしまいました。なので1時間の村上までの旅はあっという間に過ぎたのでした。
到着から15分ほどで折り返し快速新潟行きに変わります。むしろきになるのはらくらくトレインよりこっちだったりします。

座席の向きは変わらず進行方向とは逆になる
改札を通り適当な席に座ります。座席の向きはそのままなので進行方向とは逆を向いて座ります。このまま客を乗せずに回送しても良かったんでしょうが、それでも快速で運転するあたりが粋ですね。
車内は私を含めて4~5人ほど、中年のサラリーマンや20代の派手な女性などこちらも意外とお客さんがいました。
終点新潟に着いたのは22:00を回って人気が少なくシンとしていました。
実際に乗った感想は・・・大満足! 320円で乗るにはもったいないほど乗り心地と速達性はグッドでした。
使うとしたら
らくらくトレインは夜に走るので車窓といった旅を楽しむのには不向きだと感じます。
もしもらくらくトレイン村上・信越を旅行で使うとしたら、
- 新潟市内で観光・食事の後にちょっとでも移動距離を稼ぎたいとき
- 特に景色を見るわけでもなく、ただ列車に揺られたいとき
- 新潟県内を通過するだけで、駅弁食べてお酒を飲んであとはくつろぐだけにしたいとき
の3つであればらくらくトレインを有効に使えそうです。
らくらくトレインと合わせて使いたいおトクなきっぷ
らくらくトレインとフリーきっぷを合わせて使えばお金をグンと節約できます。合わせて使うとおトクなきっぷをまとめてみました。
きっぷ名 | 料金 | 有効期間 |
えちごワンデーパス | 1570円 | 1日間 |
えちごツーデーパス | 2740円 | 土日祝の2日間 |
青春18きっぷ | 12050円 | 期間中の内5日間 |
秋の乗り放題パス | 7850円 | 期間中の連続する3日間 |
週末パス | 8880円 | 土日祝の内2日間 |
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まとめ
- らくらくトレイン村上は7両編成の特急車両
- らくらくトレイン信越は4両編成の特急車両
- 320円追加すると誰でも乗車できる
- 夜の遅い時間帯に移動ができる数少ない列車
- 土日でも運転される
特急車両を使った快速列車「らくらくトレイン」のご案内でした。かなり乗り得な列車であることは間違いありません。
もともと知っていたよ!という方でも、お菓子1食分で乗れる手軽さもいいですね!
ただ新潟に1泊して村上まで乗って何もしないでそのまま同じ列車で帰るという、もの好きでないとやらないようなことをしたなと後から思うのでした。
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