前回は特急車両を使用した乗り得な普通列車2019年版として取り上げました。
今回は過去の乗り得列車を写真と一緒に振り返ります。
特急列車が多い頃には間合い運用で普通列車の設定が多く特急が好きな方には興味深いと思います。
こんな方におすすめ
- 前回の記事で乗り得列車に興味が湧いた方
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篠ノ井線「おはようライナー」
信越本線塩尻~長野間を走った通勤向けライナー列車です。
乗車整理券310円を払って乗る事が出来ます。
停車駅は村井・松本・田沢・明科で所要時間は1時間13分・特急しなのの1時間2分に引けを取らない早さで人気でした。

引用:Wikipediaより
使用する車両は189系で北陸新幹線開業前まで特急あさまとして活躍した名車両です。
今は全車廃車となって見ることは出来ません。
このほかにしなの鉄道線に乗り入れ、快速しなのサンライズ号としても運転されていました。
長野県民にとっての大事な通勤の足だったようです。
同じく長野発松本行快速には特急あずさのE257系が使用されていました。
普段は入線しない篠ノ井線の唯一の定期列車で特急あずさの間合い運用でした。
2019年ダイヤ改正で両列車は211系普通電車による快速に置き換わっています。
朝は早いけどこれで移動出来たら通勤も通学も座れて楽なんですがそう甘くは無いようです。
信越本線「妙高号」
現在は北陸新幹線開業に伴いしなの鉄道北しなの線とえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに経営が分かれた長野~直江津にこのような列車が走っていました。
「妙高号」といい、沿線にある妙高山から名づけられた「普通列車」でした。

引用:Wikipediaより
使用する車両は189系 当時の特急あさまを彷彿とさせる出立です。
189系は長い6両編成で毎日運転されていましたが、すこし輸送力を持て余している感じか否めないですね。
快速くびき野
信越本線新井~新潟を結んだ快速列車。
使用する車両は特急いなほ・北越で使用した485系
車内は1号車が半室グリーン席と指定席、それ以外は自由席と新幹線で言うこだまのような座席配分です。
しかし停車駅の少なさとスピードは特急と同じで、特急北越と比べると快速くびきのは宮内駅に停車するだけの違いです。
なぜこのような列車が誕生したかといえば、かつて特急みのりが長野~新潟に設定されていましたが需要が少なく短命で終わり、その代わりに誕生したのが快速くびき野でした。

特急みのりは新潟と新井・長野を結び新幹線のアクセスを担った 引用:2nd-trainより
現在は特急しらゆきがその後を継いでいます。
快速糸魚川行き
北陸新幹線金沢延伸後に特急網がガラッと変わったタイミングで登場しました。
新潟~糸魚川を結び、車両は485系3000番台でした。
特急北越・はくたかと快速くびきのが廃止後、新潟から金沢へのアクセスが不便になるので救済処置として1日1往復が運転されました。
特徴的な事と言えば、糸魚川で電気が直流から交流に変わる場所があり、2タイプの電気方式のどちらにも対応できる485系が適任でした。
しかし車両がもともと老朽化していたこともあり2年で運転を取りやめ、新潟と北陸を結ぶ優等列車がこれで完全になくなりました。。
今思うとなんとももったいないです。
ホリデー快速富士山
中央本線の新宿~大月 大月から富士急行線に入り河口湖まで結んだ快速列車です。
主に土・日曜日に運転されていました。
使用される車両は189系 ・こちらはかつて「あずさ」で使用されていたもので、引退後もGWなどの臨時「あずさ」などでも活躍していました。
車内はグリーン車が無いモノクラス編成なので6両の内1両の指定席と5両の自由席があります。
実際に友人と富士急ハイランドから新宿まで乗ったことがありました。
富士急ハイランドで1月の寒い中で遊び疲れた体には乗り換えなしのリクライニングシートは快適そのものでした。
車内の傷みは若干気になりましたが189系に乗れたことの幸せを感じていました。
後から気づいたことといえば、全車指定席だと勘違いしてわざわざ指定席を買ってしまい「自由席余裕で座れたじゃん!!!」と内心くやしがりましたが・・・
自由席ということは普通の通勤車両と扱いは一緒、立川から新宿までノンストップということもあってか八王子と立川からどっと乗客が増え、かなり混雑していました。
結果新宿まで指定席を取ってラッキーでしたね。
今は特急「富士回遊」として毎日運転。
新料金で多少安くなるのでしょうが乗り得さが無くなるのは残念です。
特急つがる
奥羽本線の特急つがるは秋田~青森を結びます。現在使用するのはE751系電車ですが、私が以前乗った時は485系3000番台でした。
特急はつかりを経て白鳥・つがるでも活躍する青森県民にはなじみ深い車両ではないでしょうか?
青森駅到着後、特急つがるは快速浅虫温泉行きに変わります。
当然特急料金はかかりません。
東北新幹線が新青森延伸前まで特急は八戸駅を始発とし、特急つがるは八戸~弘前を結んでいました。
新青森延伸後特急は新青森駅発着に変わったので、特急つがるユーザーから不満が出たための救済処置として運転されました。
実際乗ってみると通しでの利用者も若干名いるほか、車内は8割ほどが埋まっていました。利用率の高さが見て取れます。
東海道本線普通静岡行き
東京駅5:20発静岡行き普通列車
使用するのはJR東海の373系・特急ふじかわ・伊那路で使用されています。
当時は毎日運転されていた大垣夜行こと「ムーンライトながら」に使用されていたことがあり、
運用が空く日中の間合い運用として普通列車として運転されました。
静岡着が8:27 ・東京から3時間越えのロングランで最近ではこのような長距離列車も少なくなっています。
実際に乗ってみると、特急として派手さはないものの座席の間隔が広いのとデッキが大きく立席なども考慮した設計に感心しました。
私はこの列車に乗るために朝が早かったので途中から爆睡し、ちょっと乗るだけのはずが、気がついたら湯河原まで来てしまったので熱海で下車しました。
もしこれが仕事終わりで疲れた状態で乗っていたら確実に寝過ごして静岡まで行っちゃいそうですね。
現在は沼津行きに変更・E231系による普通の列車になっています。
ホームライナー鴻巣
ホームライナーこそ特急車両を駆使した間合い運用の最たるものですが、個人的に一番驚いたのがホームライナー鴻巣でした。
使用するのはJR西日本の489系・急行能登で使用していた車両です。
個人的にはキングオブ乗り得列車だと思います。
理由は
1.懐かしきボンネットスタイル
こだま型と呼ばれる前面が大きくせり出した車体で、平成に入ってからその車両はどんどん数を減らし、急行能登が唯一の定期列車として注目されていました。
2.他社の車両
所属はJR西日本なので間合いにしてもJR東日本エリアで489系の雄姿が見られるだけでかなり得です。
わざわざ大阪や金沢に行かなくて済むのですから
3.乗車券+ライナー券310円
上野~鴻巣まで片道860円・ライナー券310円を足して1170円
1170円で気軽にボンネットスタイルに乗車できるのは今だったら貴重な体験です。
この一連の件はマンガ「ゆりてつ~私立百合が咲女子高鉄道部~」の第1話冒頭にありました。
主人公含め鉄道部のメンバーが489系乗りたさに
あえて「ホームライナー鴻巣」を選択して楽しんでいたシーンを思い出します。
また急行能登として上野駅に23:40頃入線するのですが
ヘッドマークがホームライナーのままになっていたときは頭の中が「???」でしたね。
現在は489系は京都鉄道博物館に展示
ホームライナー鴻巣は廃止、特急「スワローあかぎ」として運転中
まとめ
- 昔は特急車両の間合い運用が多かった
- ホームライナーや快速も特急化の傾向にある
- 新幹線開業での救済処置というパターンが多い
- 列車によっては特急とそん色ない利便性
- 快適で寝落ちするWW
さいごに
前回記事からのよもやま話的な内容でした。
振り返ってみて懐かしいと同時にどんだけ金なかったんだ当時の自分!!と若干情けない感じにはなりましたね
このような乗り得な普通列車は現れるのか期待しないで待って見ます。