元JR西日本のキハ52形が観光列車で走る千葉県いすみ鉄道や
インドネシアで日本の鉄道車両が活躍している件について
「中古車両」の第2の活躍についていくつか取り上げてきました。
このようにJRや大手私鉄の車両が地方に譲渡されるケースはよくあります。
今回紹介するのは岡山県の「水島臨海鉄道」です。
どんな車両が活躍しているのか
お楽しみください。
水島臨海鉄道とは
岡山県倉敷市から水島工業地区にある三菱自工前の11.2㎞を結ぶ
「第3セクター」の鉄道です。
貨物列車の運転だけを行う「臨海鉄道」と呼ばれる路線の中で
旅客営業も行う珍しい路線です。
普段は1両か2両のディーゼルカーが運転
水島工業地区の通勤輸送を行っています。
沿線には三菱自動車工業や旭化成など大手メーカーの工場があり
朝は通勤で多くの方が利用しています。
水島臨海鉄道に譲渡された「久留里線の車両」について
2014年にJR東日本の久留里線(木更津~上総亀山)で使われた
キハ30・37・38形の計6両が譲渡されました。

引用:フォト蔵より
朝・夕の通勤ラッシュ対策限定で運転に入っています。
要するにヘルプ要員のような扱いです。
ディーゼルカーとしては珍しく両開きドアが3か所
座席はロングシートと通勤向けに設計されているのでラッシュ対策に大きく役立っています。
車両紹介
キハ30形
1966年製の国鉄型ディーゼルカー
蒸気機関車がまだまだ現役だった時代に設計され、
製造後は蒸気機関車を全部置き換え、「無煙化」に成功しました。
その後、関西本線・相模線・八高線・和田岬線など通勤用に長年活躍しました。
普通は開いたドアは中に収納されますが
キハ30形は外にむき出しになっているのが特徴的です。
JR東日本久留里線で最後の3両が活躍しましたが新型車両の導入で廃車になり
1両はいすみ鉄道に・2両が水島臨海鉄道に譲渡されました。
水島臨海鉄道では2両のうち1両は部品取りのため保留車扱いになっているので
日本で唯一稼働しているキハ30形はたった1両だけということになります。
キハ37形
全部で5両が製造 内3両が久留里線で活躍しました。

引用:railf.jpより
水島臨海鉄道には2両が譲渡され、うち1両は赤とクリーム色の国鉄一般色に
もう一両は水色に青いラインが入ったオリジナル塗色になっています。
キハ38形

引用:wikipediaより
1986年製造
キハ30形をモデルに冷房化など設備をパワーアップしました。
7両が製造され八高線の後に久留里線に転属されてきました。
7両のうち5両がミャンマーに輸出
水島臨海鉄道には1両が譲渡されました。

福井駅にて
こちらも国鉄一般色に塗装が直されています。
運転時刻について
これら3形式が運転されるのは基本「平日のみ」です。
お乗りを考えている方は平日に訪れましょう。
時刻については水島臨海鉄道公式HPの「時刻表」からチェックできます。
青いラインで印がついている列車にキハ30・37・38形が使用されます。
まとめると
下り | 倉敷市発 | 水島着 | 三菱自工前着 |
7:16 | 7:43 | 7:45 | |
8:21 |
8:50 |
8:53 |
|
16:05 | 16:29 | ||
17:16 |
17:40 |
17:43 | |
19:05 |
19:29 |
19:31 |
上り | 三菱自工前発 | 水島発 | 倉敷市着 |
6:39 | 6:48 | 7:11 | |
7:50 | 7:53 | 8:16 | |
15:33 | 15:36 | 16:00 | |
16:35 | 17:00 | ||
18:15 | 18:18 | 18:43 |
以上が対象の列車です。
注意点
- 12月29日~1月3日は運転されません。
- 土・日・祝は運休ではありませんがワンマン運転になるので対象外です。
- 混雑する時間に車内での迷惑行為は止めましょう。
- ゆっくり乗りたい場合は朝は上り・夕方は下りに乗りましょう。
- キハ37・38形は通年運転されます。
- キハ30形は非冷房車なので11月~3月に運転されます。
宿泊について
倉敷駅前には10件ほどホテルがあり宿泊には困りません。
また岡山市内からも電車でアクセスできるので倉敷市からのアクセスは簡単です。
一方水島地区はホテルは少ないですがリニューアルしたホテルがあるので
水島地区から乗車される方にも便利です。
さいごに
いかがでしたか?
元久留里線の車両は水島臨海鉄道で活躍しているのがお分かりいただけたかと思います。

いすみ鉄道でのキハ30形 本線運転には至っていない
私はいすみ鉄道の国吉駅でたたずむキハ30形を見て
「武骨でかっこいいな」とそこから興味を持ちました。
なので水島臨海鉄道で実際に乗れたことや写真に収められたことは
今でも感動したことを覚えています。
懐かしの電車に乗れる。そんな中小私鉄を引き続き紹介していきます。
お楽しみに!
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