現在定期運転されているのは
東京発出雲市行き「サンライズ出雲」と高松行き「サンライズ瀬戸」
のみとなってしまいました。

出雲市行き「サンライズ出雲」583系は寝台電車特急の元祖である
かつては長距離移動と言えば寝台特急がメインでしたが
新幹線の整備・格安航空や高速バスで移動するようになり
寝台特急の需要は無くなっていきました。
その寝台特急全盛期に活躍した画期的な車両がつい最近まで現役で走っていました。
どんな車両なのか
今回は「ザ・メモリアル 特急型寝台電車583系」についてレビューします。
583系の走行シーンを手軽に楽しみたい方にオススメします。
583系とは
1967年に登場した特急型車両です。
高度経済成長期の輸送需要に応えるため昼夜問わずに走れる特急電車として登場しました。
昼は座席・夜は収納してある寝台を組み立てて寝台特急として
日本全国を24時間走り続けたことが高い評価を受けた車両でした。

583系の臨時列車時代 羽越本線羽前大山にて
寝台特急としての運転が減った後も臨時列車として運転され
登場から約50年経った2017年4月に最後の1編成が引退しました。
商品詳細
- タイトル:ザ・メモリアル 特急型寝台電車583系
- 製作: ビジュアル・ケイ
- 発売日: 2017/12/22
- 収録時間:112分
- 価格: 864円(DVD版)1625円(blu-ray版)(どちらも税抜)
- リージョンコード:2
ビジュアル・ケイのザ・メモリアルシリーズです。
安価で内容も十分なので583系が好きな方は1度手に取った方が良いでしょう。
音声の切り替え・詳しい解説は無く
人によっては物足りない所がありますが
私は走行シーンを楽しめるのでかなり気に入っています。
ビジュアル・ケイから583系の関連作品として
583系急行きたぐにがリリースされています。
合わせてチェックしてください。
作品の見どころ

秋田駅構内に停車する583系 まもなくラストランへ 引用:本編より
オープニングではラストランイベントのため秋田駅に入線するところから始まります。
スマートなE6系こまちと大きな車体の583系
新旧同じ画面に収まるだけで面白いです。
特急はつかりやシュプール号時代の映像
急行きたぐにの映像もありましたがここでは割愛します。
作品では主に2012年以降のJR東日本での臨時列車の走行シーンを収録しています。

桜が満開の沿線と583系のシーン 引用:本編より
奥羽本線弘前さくらまつり号
沿線の桜が満開で桜と国鉄型の組み合わせは趣があって結構好きです。

早朝 鳥海山の麓を北上します。 引用:本編より
羽越本線では早朝の庄内平野を快走します。
朝焼けの中北上を続けます。

信越本線走行の様子は実は珍しい 夏の里山にも映えます 引用:本編より
信越本線を走る583系
今のえちごトキめき鉄道線の区間も走っていたんですね。
沿線は緑が多く里山を走る583系はめずらしい光景です。

ヒガハスで有名な撮影地を通過 かつてはくつるとしてこの場所を通過していた。 引用:本編より
東北本線の有名撮影地 東大宮~蓮田を通過します。
はくつるや津軽時代に上野まで乗り入れていた頃は
「これが日常だったんだろうなー」と思ってみていました。

赤いHMは「あいづライナー」用のもの 引用:本編より
福島県内は「あいづ」のヘッドマークを掲げて走っています。
恐らく回送電車だとおもいますが
車体が大きいのでゆっくり走るだけでも威圧感があります。

青い森鉄道線の雪深い沿線を快走する 引用:本編より
雪が降る東北を走行します。
583系は東北での寒さ・雪に対応した設計になっていますが
50年経ってもその高性能さは衰えていない走りっぷりです。
東海道線にも乗り入れていました。
甲子園向け貸し切り臨時として秋田から大阪まで高校球児の輸送に活躍していました。
飛行機だと早いけど583系で行けるのがマニアとしてうらやましいです。

新大阪~大阪 甲子園臨として設定される夏の風物詩列車 引用:本編より
武蔵野線を走る583系
東京ディズニーランド行き臨時便は武蔵野線を経由して舞浜へ向かいます。
湖西線・北陸本線はかつて特急として通過したことがある路線です。
琵琶湖のそばを走る583系は結構好きです。

背景に迫るは琵琶湖 引用:本編より
わくわくドリーム号
東京ディズニーランド向けに運転された臨時列車で青森~舞浜を秋田経由で結びました。
主に金曜~日曜日にかけてで利用者は寝台を使って睡眠を取る事が出来ます。

ベッドを組み立て本来の機能を久しぶりに発揮します。 引用:本編より
わたしもかつて毎月1回はこの列車を撮りに庄内へ行っていました。
朝5時からスタンバイして撮影していましたが
この頃からカメラを構える人が多く
583系狙いで撮影するファンが増えてきた感じがしました。
かつての夜行列車が早朝を走った時もこんな感じだったのでしょうか?
ゲレンデ蔵王号
大船~山形を横須賀線・東北本線・仙山線を経由して走るスキーツアー列車です。
かつて冬に定期運転されていた「シュプール蔵王」と同じルートで運転されました。
スキーシーズンだけあって沿線には雪が積もっています。

山寺の風景の中走るゲレンデ蔵王 引用:本編より
山寺では有名な俯瞰でのシーンが特徴的です。

作並~熊ヶ根 快走として仙台へ向かう 引用:本編より
山形到着後折り返して仙台へ向かいます。
2011年を最後に運転は終了しました。
あいづ・あいづライナー
郡山~会津若松・喜多方を結んだ快速列車
485系が使われていた数少ない定期列車ですが
車両点検時の代走として583系が使われました。
特急形を使用した快速列車とはかなり太っ腹ですね

急カーブが多い磐梯地区を走る 引用:本編より
磐越西線は急カーブが連続するので汽笛が連続して鳴り渡ります。

雪が積もっていても関係なく走る 引用:本編より
雪が降る中重いジョイント音を響かせて走るシーンは躍動感を感じさせるシーンです。
雪景色を走る様子なんかもう芸術ですよね。
583系ラストラン・引退へ

4月でもまだ雪が残る中ラストランへ 引用:本編より
ありがとう583系として2017年4月に秋田~湯沢で運転されました。
沿線にはまだ雪が残りながら穏やかな天気の中で走る事が出来ました。
全体的に東北らしいと言えばらしい雰囲気がします。
ヘッドマークには「ありがとう583系」と掲げられています。

4月8日 まだ春は来ない 引用:本編より
4月8日は秋田~弘前で運転
秋田駅をゆっくりと発車します。
沿線にはまだ春らしさはありませんが
このようにみちのくの風景に違和感なく溶け込んでいます。

弘前駅では多くのファンに見送られる 引用:本編より
薄暗くなった弘前駅では多くのファンに見送られながら秋田駅へ向かいます。
秋田駅でも多くのファンが迎えてくれています。
別れの合図か、汽笛を鳴らしてゆっくりと車庫へ向かっていきます。
この日をもって583系の50年間の活躍が終わりました。
見てみた感想
583系の走行シーンは東北が中心で田園風景と
国鉄色の583系の光景は懐かしさが感じられます。
色もオリジナルを保っているので往年の姿で走る583系の姿はかっこいいです。
走行シーンの中でタイフォン(汽笛)がなってもいないのに
開きっぱなしだったシーンが多かったのが唯一気になった所でした。
多分価格が3000円台だったらノーカットで5時間ぐらいは収録もできそうですが
この内容でも手軽に楽しめて満足でした。
さいごに
いかがでしょうか?
583系はこのラストランをもって一両も動ける車両はありません。
博物館でしか見られない過去の車両になってしまいました。
この作品で初めて興味を持ったという方には残念なところですが
583系の醸す魅力は伝わるはずですので
見てみてはいかがでしょうか?