今回紹介するDVDは
いずみ企画「物流を担う 日本の貨物列車」シリーズ第5弾 関西・北越編です。
あまりメジャーではないタイトルですがいざ蓋を開けると
そのすごさが分かります。
今回は知らなかった人や知っていたけど失敗したくないから見ていない
という方に向けて内容を少し取り上げようと思います。
ぜひご覧ください。
ページコンテンツ
商品について
- タイトル:物流を担う日本の貨物列車 関西・北越編
- 製作者: いずみ企画
- 製作年: 2009年11月30日
- 収録時間:122分
- 価格: 4200円(税抜)
- リージョンコード:フリー
- 取り扱い:紀伊国屋書店・ジュンク堂書店・書泉グランデ各店舗・いずみ企画公式サイト
こちらの作品は貨物鉄道シリーズの第5弾
大阪を中心に関西と北陸・新潟地区の貨物列車を特集しています。
取り扱いについてはAmazon・楽天・Yahooショッピング等
大手通販サイトでは販売されていません。
お買い求めの方は上記の取り扱い店か
いずみ企画公式サイトへのリンクから購入してください。
貨物列車が集中する拠点 大阪

EF66 関東~下関まで活躍が幅広い 引用:本編より
関西の拠点・吹田市の大阪貨物ターミナルには各方面からくる
貨物列車が機関車を付け替える様子が収録されています。

北陸本線のEF81にはローズピンクの他JR東や門司機関区所属も活躍 引用:本編より
東京・山陽からはEF210形・北陸・東北方面にはEF81やEF510
さらにDD51形ディーゼル機関車など様々な機関車が往来する1大中継地点でもあります。
他とはちがうマニアックな解説
「敦賀港駅では鹿島臨海鉄道のUT20Aコンテナが積載され、ラテックスを輸送しています。」
本編ナレーションより
ナレーションの解説のなかでもコンテナの種類の説明が入るところが
このシリーズの一番の見どころです。

タンク式コンテナも充実してきた 引用:本編より
貨車や機関車の説明は他の作品でも見られますが
コンテナの種類まで淡々と説明するのはこの日本の貨物列車シリーズのみです。
さすがに全部同じに見える貨物コンテナも使い道ごとに形が違っているなど
初見の私でも思わず関心してしまう解説です。
ただ内容的に初心者向きではないですね。かなり細かい所をついています。
富山県高岡から延びる貨物専用線
富山県高岡市には製紙工場がある関係で
通常の貨物列車の後ろには製紙工場向けの貨物を積載していました。

氷見線伏木駅から貨物専用線へ入る 引用:本編より
氷見線伏木駅からは日本製紙伏木工場に向かう専用線が伸びています。
ここで製造された新聞用紙やグラビア紙を関東・関西に輸送されていましたが
2008年9月に専用線の運転は廃止され、高岡貨物駅に集約されることになりました。

日本車両製スイッチャーD531 引用:本編より
入換専用機(スイッチャー)として活躍したD531形は
国鉄型ディーゼル機関車のような朱色のボディーが特徴的です。
城端線高岡~二塚の2駅のみの専用貨物列車も中越パルプ向けの製紙素材を取り扱います。
二塚から先はJR貨物の路線となり、小型のスイッチャーが牽引します。

専用線内は小型スイッチャーがゆっくり牽引していく 引用:本編より
尚、スイッチャーは車両ではなく機械として扱われ
レールの上を走る様子を見るのは珍しい光景です。
増えるコンテナ・無くなる専用貨車
貨物列車には用途に応じて専用の貨車を使い分けていました。
これを作中では「車扱い貨物」と呼ばれます。

製紙専用のワムによる車扱い貨物列車 引用:本編より
しかし今ではコンテナの形は進化し
専用で使われていた貨車は石油用のタンク車を除いて
ほとんどがコンテナに変わっていったのもこの作品で説明されています。

このように企業が所有する貨物コンテナが存在する 引用:本編より
作中には企業専用コンテナの積載が見られ
どのコンテナがどの会社のものかといったことまで説明がありました。
電気化学工業セメント専用列車

黒姫山の石灰石から製造したセメントを運ぶ 引用:本編より
(株)電気化学工業青海工場で生産されたセメントの専用貨物列車のシーンです。
スイッチャーにはDD16形と同じものを
貨車には40t積みのタキ15000を連結し専用線を下ります。
機関車と貨車には相撲の軍配をモチーフにした会社のロゴが描かれているのがわかるでしょうか?
そしてこの車扱い貨物は富山県の越中大門までの区間を往復していました。
黒く重厚感のある貨車を長く牽いて走る光景は力強い印象でしたが
2008年に専用列車は廃止となりこの作品内で見られる過去の列車となりました。

北陸本線の貨物は雪や海風など厳しい気候の中走るのが魅力 引用:本編より
雪の中で走る子の貨物列車には躍動感みたいなものを感じ、写真に収めたかったなと
後からじわじわ思わされました。
年々減少していく車扱い貨物の貴重な映像となっています。
大阪の貨物列車
大阪には東京方面から来た東海道本線の貨物列車と北陸本線の貨物列車が合流するため
貨物列車の拠点がいくつかに分かれています。
そのうちの一つ・桜島線安治川口駅から建設土砂運搬用コンテナと
レール運搬用のチキで構成された貨物が出発します。

吹田機関区建設用の土砂とレールを運搬する 引用:本編より
貨物列車の正体は吹田機関区の再開発で新しく建設される
吹田貨物駅の建設資材を運ぶ様子でした。
かつては梅田に巨大な貨物駅があったのを移転し
荷扱いや機関車の付け替えとして新しく機能します。
しかし、貨物列車が運ぶのは製品や食品以外にも用途が幅広いことに
感心してしまいます。

歩行者と列車の距離が近い この橋も今では廃止 引用:本編より
大阪の貨物列車で有名なのが城東貨物線赤川橋梁です。
このような光景を何かで見たことは無いでしょうか?
鉄道橋の中で線路と歩道が並行するめずらしい鉄橋でした。
ここは百済駅行きのDD51貨物列車と歩道橋が隣接する鉄橋で
かなり間近で貨物列車が見られるスポットでしたが
おおさか東線の複線化によってそこを経由するルートに変更されたのかきっかけで
廃止となります。

大阪市街を背に本線へと合流する貨物列車 引用:本編より
そして梅田・百済・安治川口を出た貨物列車は山陽本線を南下していきます。
貨物専用線はそれほど長いものではなく、大阪駅を過ぎるとすぐに旅客線と合流をします。
新快速や普通列車と並走して走る貨物列車のシーンの他
新快速の通過待ちといった光景もその路線の過密さを象徴しています。
甲種輸送

川崎重工から輸送される京急1000形 引用:本編より
新型の鉄道車両は貨物として鉄道会社までを機関車が牽引して運びます。
これを「甲種輸送」といいます。
関西には川崎重工や近畿車両といった鉄道メーカーが
軒を連ねる地域のためこういった甲種輸送が多々見られます。

1989年撮影 仮台車を履かせ、本物の台車は別に積んで走る 引用:本編より
この作品では過去に撮影されたモノを含めて様々収録されています。
見てみた感想
全部で2時間丸ごと貨物列車について濃く説明されていたのと
過去に走っていた専用貨物列車の貴重な映像も含めて内容としては満足できました。
しかし機関車を含め貨物コンテナの形式まで出てきたのは想定外で
かなりマニアックな趣向の人でないとついていけないかなと思います。
ナレーションは素人臭いですが淡々とテンポが速く感情的にならないものの
1回で全部見ると疲れるかなとは思いました。
気になる方はナレーションをオフに設定できます。
内容とは別にAmazonや楽天で購入できないのは割と大きいです。
公式サイトと大型書店だけの取り扱いでは購入しづらくそこが残念かなとは思います。
さいごに
いかがでしたか?
今回のはかなりマニアック度が高い作品でした。
しかし普通では知る事が出来ない貨物列車の知識が濃く
貨物列車においては日本1ではないかと思います。
今回の記事で参考になれば幸いです。