今回から「貨物列車」について詳しく知りたいという方に応えて貨物列車に関する情報を提供したいと思います。
先日たまたまYahoo知恵袋でこのような質問を見つけました。
「貨物列車の金太郎はどこに行けば見れますでしょうか?
さいたま新都心駅や大宮駅、南越谷駅に行きましたが時間帯が悪かったのか金太郎は見れませんでした。」「貨物列車の金太郎と桃太郎の違いって何ですか?」
Yahoo!知恵袋より
このような質問がたくさんありました。
貨物列車に着いて詳しくない方にとっては狙って遭遇するのはなかなか難しいこととは思います。
第1回目は貨物列車の顔となる機関車、その中の一つ「EH500形」通称:金太郎について実際の画像付きで解説していきます。
様々な秘密があるので興味のある方はぜひご覧ください!
こんな方におすすめ
- 貨物列車が好きなお子様や鉄道ファンの方
- よく見かけるがどんな車両か知りたい方
- 実際に見せてあげたい親御さん
今回参考にした書籍はこちら
ページコンテンツ
EH500形とは?
JR貨物が東京~東北・北海道向けの貨物列車に向けて開発した電気機関車
愛称として「ECO-POWER(エコパワー)金太郎」と呼ばれています。
他にもファンの間からは「キンタ」「マンモス」とその力強い見た目からそう呼ぶ人もいます。
なんで金太郎なのか?
同じ時期にEF210形が東海道・山陽本線向けに登場しました。
この時初めて配属されたのが「岡山機関区」で桃太郎伝説で有名な岡山県から「ECO POWER(エコパワー)桃太郎」と名づけられました。
それにならってEH500形には「金太郎」の愛称が付けられました。
どこで見られるのか
金太郎が定期的に走る区間をピックアップしてみました。
路線 | 区間 |
東北本線 |
田端~盛岡 |
IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道 | 盛岡~青森 |
常磐線 | 田端・隅田川~泉(福島県) |
高崎線・信越線 | 大宮~安中 |
武蔵野線 | 新鶴見~越谷 |
奥羽本線 | 秋田~青森 |
山陽本線・鹿児島本線 | 幡生~福岡貨物ターミナル |
東北本線を中心に北は青森・南は九州まで
その運用はかなりの広範囲に渡ります。
中でも一番見られる確率が高いのは東北本線黒磯~仙台です。
ここからは私の感覚での話ですが、仙台地区ではほぼ全ての貨物列車の担当は金太郎となっています。
しかも東北・北海道方面へのメインルートとなっているので日中でもかなりの本数が走っています。
というか・・・金太郎以外の機関車はほとんど走っていません。
ここまでなら間違いなく遭遇できますが東北に住んでいない限り、さすがにお金がかかるので関東であれば宇都宮線南浦和~大宮あるいは武蔵野線の新座~西浦和あたりがおススメです。
武蔵野線 西浦和駅にて 電車以外にも様々な機関車が見る事が出来てお得感アリ
特に小さいお子様がいる方には東京から近いのといろんな機関車が見られる宇都宮線か武蔵野線の方が飽きが来なくていいかと思います。
もっと詳しい時間が知りたいという方へ
一般的に貨物列車の時刻は知っているという人は少ないでしょう。
その筋に詳しいマニアや詳しいママ友などに聞けば分かると思いますがこのようなコネクションが無い方でも貨物列車の時刻を知る方法があります。
それは・・・
貨物時刻表を買ってみて下さい
貨物時刻表とは?
文字通り貨物列車の時刻が載っている時刻表で、1年に1回発行されています。
書店・または鉄道貨物協会公式HPから通販で購入できます。
(取り扱う書店についてはこちらをご覧ください)
ただし、この時刻表でわかるのは貨物列車の時刻なので担当する機関車までは記載されていません。
また、貨物列車は遅れることが多いので時刻は参考程度にとどめておいてください。
基本データ
登場:1997年
製作:東芝府中事業所
両数:82両
出力:4000kw(1時間定格)4520kw(30分定格)
所属:仙台総合鉄道部・門司機関区
対応電源:直流1500v・交流50㎐・60㎐20000v
車体長:25m
主な運転路線:東北本線・武蔵野線・常磐線など
同じ金太郎でも見た目が違う?
金太郎は製造された時期によって色やデザインが違っています。
ちょっとわかりづらいかもしれませんがこのあと見てみる時に楽しみが増える事でしょう
試作機(901号)
1997年に制作された試作タイプで1両のみ、鮮やかな赤をベースにした車体が特徴的です。
1次量産車
試作機のデザインをそのままに量産された金太郎
色が鮮やかな赤からえんじ色といった深く暗めの赤色に変更されています。
2次量産車
1次量産車と配色は一緒ですが、前照灯(ライト)の位置が運転席真下に移動しています。
そしてライト周辺を白いラインで囲っているのも試作機・1次量産車とは外見上で見られる違いです。
3次量産車
今現在、金太郎の中で最も両数が多いのがこちらのタイプです。
外見上は2次車ですが、配色が試作機と同じ鮮やかな赤色に戻されています。
東北以外では都心への乗り入れや関門トンネル専用機として幅広く活躍しているタイプです。
金太郎のここがすごい
ではEH500形金太郎がどのくらいスゴイ機関車なのか見ていきましょう!
圧倒的なパワー

まずは他の機関車とはけた違いのハイパワーさです。
機関車のパワーを表すのが「モーター出力」ですが金太郎は4000kwhと実は日本で2番目に強力な機関車なのです。
これを分かりやすく比較してみると・・・
たとえば3人家族が使用する電気使用料は1か月で
370kwh(総務省調べ)なので年間4440kwhとなります。
つまり、金太郎が1時間で出せる出力は3人家庭の1年間で使う電気量に匹敵するほど強いということになります。
それだけのパワーであの長い貨物列車を引っ張っているのがいかにすごいか分かります。
かつて東北本線ではED75形という小さな電気機関車が貨物列車を引っ張っていました。
ED75形は1900kwhなので金太郎はその2台分以上のパワーを出せることになります。
機関車の付け替えがいらなくなった
どういうことかといえば
日本の鉄道は直流・交流・非電化に分かれています。
非電化では電気ではなく軽油で動くディーゼルエンジンで走ります。
電気は直流と交流の2通りの電気に分かれているのでその境界では機関車を付け替えなくてはなりません。
車で言ったら雪道を走るときは冬タイヤに履き替えなければ走れないですよね?
交換しなければ走れない点では一緒です。
しかし金太郎は交直どちらにも対応できるように出来ているので電気があればどこでも走る事が出来ます。
青函トンネル向けにも対応
また、北海道へ渡るときは青函トンネルをくぐります。
この時トンネル内で緊急停止できるように特殊な装備をした列車しか通過できない決まりがありました。
なので青函トンネルの前に専用の機関車に付け替える必要がありましたが、金太郎にはその設備もあるので付け替える必要がありません。
つまり東京~函館まで1台の機関車で運転できるのが金太郎最大のメリットで、こうすることでロスタイムを減らして運転する事が出来ます。
※北海道新幹線開業で青函トンネル区間はEH800形が担当することになりました。
勾配に強い
勾配=坂道と解釈してください。
貨物列車にとって勾配は天敵です。
なぜなら勾配を登り切れずに止まってしまったり、重い貨車に引きずられて逆走する危険があります。
東北本線には福島県の国見峠や岩手県の十三本木峠に青函トンネル内も海底をくぐるので勾配がきつくなっています。
先ほど言った金太郎のハイパワーをもってすれば勾配でも立ち往生せずに走り抜けられます。
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まとめ
- 金太郎が走る範囲はとても広い
- 東北地方であれば出会える確率が高い
- 関東では武蔵野線か宇都宮線がオススメ
- おおよその時刻は貨物時刻表で調べられる
- 性能は同じだが外観が違っている
- パワー・運用の柔軟性・性能においては日本でトップクラス
さいごに
ここまで読んで金太郎ことEH500形の魅力が伝われば幸いです。
もし仙台や福島へ観光や撮影にいらした際は金太郎を見て行ってください。
貨物列車の先頭に立って力強く走る機関車というのは年齢関係なくかっこいいと思えるのが不思議だとおもっています。
不定期的ですがこのように貨物列車に着いての記事を更新していこうと考えています。