商品詳細
- 製作:TBS
- 販売元:ポニーキャニオン
- 発売日:2000年10月18日
- 本編:65分
- 定価:4700円(税抜)
- リージョンコード:2
収録内容
この作品は1970~72年のC型蒸気機関車の現役で活躍した姿を収録しています。
ここで言うC型とは「動輪が3つある機関車」のことです。

出典元:side view
画像のSLの車輪の部分で大きな3つの車輪があります。それは動力を伝えて走る役目がある車輪なので動輪と呼ばれており、Cはアルファベット順で3番目にあるためC型と呼ばれます。(動輪が4つの場合はⅮ型)
昭和を代表するC型蒸気機関車
8620形・C11形・C12形・C55形・C56形・C57形・C58形・C61形・C62形
が登場します。
遠くで見ても近くで見ても前から見ても横から見ても蒸気機関車は美しい。
人間が作った機械の中でこれほど人間らしいものは無い。
ナレーションが蒸気機関車を賛美するように、蒸気機関車が走る様子は電車とは違って人間らしさを明確に感じてしまいます。
それはやはり、「一生懸命走る姿」にファンも私も魅力を感じているからでしょうか。
1970年代と言えば全国各地からSLが引退し、SLブームの真っ只中の時代で、
それを感じさせるシーンがいくつか収録されています。
まず、SLが走る線区は東北・北海道・九州のローカル線で短い客車を牽くばかり。
SLと駅で交換するディーゼルカーとの場面は世代交代をしっかり表していました。
もうこの時点でSLは表舞台から外れたという印象。
まぁ、ローカル線の山間や海沿いを走る姿は原風景によく合って様になっています。
本編では所々に空虚な気持ちにさせるような不気味なBGMが流れており、
それが相まってSLに哀愁を感じてしまいます。
見どころ
収録された形式の見どころを紹介します。
C11形
鳥取県の境線・境港駅構内で貨車の入れ替えに勤しんでいます。

本編:境線境港駅構内で停留するC11
構内入換作業を得意とするC型タンク機関車で、日常的に行われている映像はとても貴重です。
只見線の客貨混合列車(客車と貨車を混結した列車)を牽くC11形。
山間を抜け、谷川を渡り、峠を越え、美しい只見川にかかるアーチ型鉄橋を渡ります。

本編:只見線第1只見川橋梁を渡るC11
C12形
C11形と同じくタンク式の小型な機関車で、貨車や客車を牽いて後ろ向きに走ることが得意な変わった存在です。
映像では高森線のトラス鉄橋を渡るC12形が収録されています。

本編:高森線のトラス橋を渡るC12
まるできかんしゃトーマスの世界が実在しているような感じです。
8620形
登場するSLの中で唯一の「大正生まれ」の機関車です。
冬の五能線を走ります。
厳しい寒さを感じさせながらもひたすら走り続ける8620形は
津軽三味線のBGMも相まってより東北という感じがしてきます。

本編:五能線 晩秋の寒さの中走る8620形
登場する8620形は現在京都鉄道博物館内で動態保存され、SLスチーム号として今でも走っています。

京都鉄道博物館でスチーム号として健在
C55形
ただ一つ動態保存機が無いこの機関車は、
かつて昭和初期に東海道本線で優等列車を牽引した実績を持ちますが
晩年は北海道と九州で運転されていました。
映像は筑豊本線・若松駅に向かう列車を中心に収録されています。
転車台で方向転換されるC55形をいろんな角度から見る事が出来ます。

本編:筑豊本線・若松機関区で方向転換をするC55
私の印象では均整の取れたスタイルが良い車体と、
腐食や劣化が目立っているところがむしろ美しいとも感じられました。
長く重宝されていることがうかがえます。
C56形
つい最近、JR西日本の同機が本線での走行から引退しました。

2016年SL北びわこ号を撮影
「高原のポニー」と呼ばれた小型機のC56形は164両が製造されましたが、
そのうち90両が戦争中に軍用として海外で使われていました。
映画「戦場にかける橋」のモデルとなった泰面鉄道で使用されたこともあり、
映像にはタイで未だ現役のC56形の様子が収録されています。
日本でも海外でもその身軽さと性能が評価されていたようです。

本編:タイにて現役で走る 泰面 鉄道のC56
C57形
宮崎機関区で出発前の作業をするC57形。
同じ機種でも製造時期ごとの違いが多々見られます。
SLの中で旅客機のエース的存在のC57形は当時はまだまだ現役で北海道の平原を快走する様子が収録されています。
画像は北海道の室蘭本線を走る客車列車です。
日本で最後のSLの定期運用が運転されていたのも室蘭本線でした。

本編:室蘭本線・牧場広がる平野を疾走するC57
C58形

本編:志布志線の勾配区間をゆっくりと登るC58
茂る草いきれの中を爆煙を上げて迫るC58形から始まります。
個人的には不気味なBGMと雰囲気が合って好きなシーンの一つでもあります。
C58は性能としては8620形とC57形の中間を狙った客貨両用・万能機種として設計されました。
なのでデビューから主要幹線ではなくローカル線区を中心に活躍、
日本の鉄道事情に最も適した機関車だと評価は高かったようです。
作中でも陸羽東線・陸羽西線でその性能を発揮した様子が収録されています。

本編:陸羽東線・重連で貨物列車を牽引するC58
秋雨が降る中、重連で貨物を牽くC58形、名所・鳴子峡や最上川沿いを力強く走るシーンはおススメです。
C61形

本編:宮崎機関区に入庫するC61
本編では宮崎機関区にて石炭と水を補充し、丁寧に整備される様子が収録されています。
前照灯が二つあり、雪国青森県からはるばる転属されてきたという解説は興味深い物でした。
大きな車体が印象的で、雪害や塩害で錆びつく足回りもキレイに磨き上げられています。
前編通して言えることですが、中でも特に九州のSLは手入れが行き届き、長く大事に扱われていたのだなと映像を見て感心しました。
C62形
ラストは日本最大のSL、C62形!
特急つばめを牽引したSLも晩年は9両が北海道の小樽築港機関区に配備されていました。
峠を越えるため重連で運転される急行ニセコ号と
それを撮影する多くの鉄道ファンたちの様子が収録されています。
鉄道ファンの情熱は昔も今も変わりないようです。

本編:函館本線・雪が降る中重連で峠を越えるC62
雪が降る函館本線のS字カーブを大きく曲がりながら走るC62形は
威風堂々たる貫禄がやはり他のSL列車とは違って見えます。
まとめ
いかがでしたか?
今回はC型蒸気機関車をまとめたこちらの作品について紹介しました。
現役当時の様子が分かる貴重な映像を収めたドキュメンタリー作品となっております。
こんな方におススメ
- SLが好きな方
- 当時の様子を懐かしみたい方
- 昔の映像作品を楽しみたい方
逆におススメしないのは
- キレイな映像で楽しみたい方
- SLについて詳しく知りたいという方
- Ⅾ51など貨物用SLを見たいという方
です。