今回も当ブログに訪れて頂きありがとうございます。
ご存知の方も多いかと思いますが、
昨年、C57形180号機が故障して以来SLばんえつ物語は運休していましたが
2019年7月、この度SLばんえつ物語が復活します。
私も無事に直って良かったと思います。
昨年はディーゼル機関車での代走がありましたが、
それでも運行は大きく減らされていました。
今年こそは西会津の紅葉やクリスマストレインを撮影できるのですから
撮影したい意欲がうずきます。
「SLを修理することは簡単ではない。ということは
今回紹介する作品を見てそう思いました。
今回はC57形を復活させた技術者たちにスポットを当てた
「C57形 ばんえつ物語~貴婦人を蘇らせた男たち~」
のレビューです。
作品の詳細
商品タイトル:C57形 ばんえつ物語~貴婦人を蘇らせた男たち~
製作: ジェネオンエンタテイメント
発売日: 2007年1月25日
価格: 廃盤のため不明
参考価格:3000円(Amazonマーケットプレイス)
収録時間: 60分
タイトルの通り、C57 180号機がばんえつ物語として復活するまでの
ドキュメンタリー作品です。
ナレーションは武田広さん、タモリ倶楽部のナレーターでお馴染みで
自身も鉄道ファンだといいます。
分かりやすく安心できる解説がついています。
また、海外でもすぐに見られる「リージョンフリー」となっているので
海外の鉄道ファンの方も通販サイトでお買い求めいただけます。
SLの復元の仕方が良く分かるので、SL好きの人へのプレゼントとかにいいと思います。鉄道に興味がない人にもお勧めだと思います。ナレーションも入っているので、とてもわかりやすいです。
Amazonカスタマーレビューより
博物館や本でもなかなか見られません。
機械が好きな方にもオススメします。
作品の見どころ
C57 180の復活のきっかけ
ばんえつ物語の顔 C57形180号機は新潟を中心に活躍し、
現役を終えた後は新津市立新津第一小学校(当時)に静態保存されていました。
そんなC57形を復活させるきっかけになったのはイベントで走ったD51形の汽笛でした。
復活に当たって、当時SL機関士の大野さんも
「こいつが復活するまで死ねないな!!」と
満面の笑みで語っていたのが印象的です。
解体から復元まで
SLを復元する場合、どれでもいいわけではなく、状態が良い機体が選ばれます。
それでも鉄道車両は動かさない限り劣化が早く進むものです。
C57180は掃除と整備を年2回行われていたため、
比較的状態は良かったようで、ここにも地元の方々の愛を感じます。
解体にいたってはJR以外の技術者も混ざり、慎重に行われました。
11月、大宮工場ではC57復元プロジェクトが立ち上げ
かつての国鉄OBも参加した大企画となります。
しかし、今までSLに携わったことのない技術者もいる中、
はたして無事に作業は進むのでしょうか?
復元の難しさ~部品篇~
部品は良好なものは使用されます。
では状態が悪いものはどうするのか?
答えは他の機体から流用するか無ければ新しく作ります。
しかしあまり知られていない事ですが、
SLの部品をメーカーが新しく製造するのは法律で禁止されています。
そのため無ければ自前で作るしかありません。
だから復元には時間が掛かります。
少しずつ部品は1つずつ組みあがり、やがて形になります。
この時解体した時の写真と照らし合わせながら
部品を慎重に組み合わせていきます。
なのでパズルのように組み上げていけばいいものでは決してないのです。
復元の難しさ~加工編~
走り装置の要、動輪とピストンやクランクを組み合わせます。
この時、動輪の軸とピストンの動輪軸受箱の
すり合わせ作業が行われています。
凹凸にはめるイメージですが、
どちらかが歪んでいると走行時に摩擦が起きて故障につながります。
限りなく正円に近づけるため手作業で削り出します。
この作業では知識というより、
経験と感性がものを言う
いわば「職人技」です。
まもなくSLは復元作業を追えます。
40年ぶりに復活!!
平成11年3月4日 火入れ式が行われ、引退から30年ぶりに火が入れられました。
その後、ボイラーの昇圧試験や試運転が行われます。
中でも「吹き込み」という作業があり、
これはボイラーや蒸気管を高圧の蒸気で洗浄するもの
最初は黒い煙が次第に白くなり、中が洗浄されて言うのが見ただけで分かります。
試運転中にはロイヤルエンジンことEF58との並びも見られました。
4月3日
新津に戻ったC57は磐越西線で試運転が行われます。
4月29日
SLばんえつ物語号が運転開始
地元の方々の夢が叶った瞬間でした。
今年で復活から20周年
これからも力強い走りを見せてくれることを期待します。
最後に
いかがでしたか?
今回の故障は炭水車の車輪の一つにひびが入ったものでした。
それでもディーゼル機関車での代走が続きながらも
「ばんえつ物語」の名を残してくれたことにも
修復してくれた技術者の技と熱意にただ感謝しています。
SLを保存するのに欠かせない技術者たちと
普段では絶対見る事が出来ないSLの修復のドキュメント
興味のある方はご覧ください。